2010年4月30日金曜日

なぜM&Aアドバイザリー?

この質問は99%の確率で面接で聞かれると思うので、事前にまとめておきたい。自分の興味については、昨年にざっくりとまとめた投稿があるので興味がある方は見てみてください。そこから若干の修正を加えて、準備としたいな。

自分の興味
自分の興味 その2
自分の興味 その3

自分の今後のキャリアについては、
20、30代については日本のために何かしよう
40、50代については世界のために何かしよう
60代以降はパン屋をやろう
と考えている。

ということで、しばらくは日本のために何かしたい。周知のとおり、少子高齢化や財政の問題、発展途上国の台頭とそれに伴う技術流出など日本内外の状況は大きく変化をしてきている。これらを問題とするか、機会とするかは人それぞれだと思うけど、日本自体が大きな変化が必要なのは間違いない。そして何より、状況が良かろうが悪かろうが、もっと日本を面白くできるよ!と直感的に思う。

M&Aは日本が今起こっている変化に対応するため(つまり、継続的な成長をするため)、そして日本をもっと面白くするために必要な行為であり、それをサポートしたい!というのが今回のポジションを希望する理由になる。

まずは前者の方から。世界のほとんどは(いろいろな問題があるにしても)資本主義というルールをベースにして動いている。そのルールの上では、限りあるリソースを以下に効率よく使って価値を創造しようとすることが、変化に対応するためのひとつのポイントになる。しかしながら、日本の多くの企業が効率の良い経営をしているとは言いがたく、4月27日のFTでも日本企業はもっと海外に出て、持っている資産を有効に使うべきだーと指摘されていた。(あまり当てにならないけど)企業の資産運用の効率性を示すROAも米国と比べるとずーっと低水準。


ROAの推移(内閣府調査)


M&Aはリソースの効率性を高めるという意味で重要な手法だと言える。例えば、(多くのファイナンスの論文が検証しているように)同業同士がM&Aで一緒になり、生産や研究の拠点を統合したり、販売力やブランド力を強化したりすることで、世の中により多くの価値を提供することができる。または、異なる業種がM&Aで一緒になることで、技術やナレッジの新たな活用につながり、価値創造へつながるかもしれない。

さらには、M&Aそのものが効率的な取り組みである。実体経済におけるリソースは、証券市場で取引されている株式や債券とは異なり、非常に流動性が低い。それは扱っているものが証券というモノではなく、知識や労働力というヒトから生み出されるものだからだと思う。例え、企業が競争力を失ったので解散してバラバラになり、そのリソースを再配分しようとしたところで、ヒト個人の性質や価値は見えづらく、最適な機会とのマッチングは非常に難しい。もし、ミスマッチが起これば、ヒトが何か新しいことを学ぶには時間がかかってしまうため、価値を提供するまでに時間がかかる。また、組織から所属しないと言う状態がそのヒトを不安にさせ、モチベーションを低下させてしまうかもしれない。それよりも企業単位で、もしくは事業単位で考えれば、その組織の提供できる性質やその価値が(ヒト個人に比べると多少は)明確なため、比較的効率よくリソースの再配分が行える。

このように内外の変化に合わせたリソースの再配分が進めば、企業がより多くの価値を提供し、より多くの利益を上げられるようになるだろう。そして、日本は労働の対価として、国の税収として、そして投資のリターン(現在の株式市場にいる投資家の60%以上は外国人だけど)として、利益の一部を手に入れることができ、それらが日本の継続的な成長につながるはず。

次に後者の「日本をもっと面白くする」について。前回と似たような話になるけど、戦後、日本は欧米をお手本に、安くて豊富な労働力と細かい改善の積み重ねによって世界第2位の経済大国までのし上がった。しかし、バルブを境に日本経済は低迷し、「失われた10年」と言われていたのが、いつのまにか「失われた20年」になってしまった。一人当たりのGDP(OECD調査)は80年代、90年代は5位以内が当たり前だったが、2000年を境に下落が始まり、2007年には19位まで下がった。それに影響されるかのように、自殺率(警察庁調査)も85年前後に少し上昇したものの、その後下落し、91年に底を打って、98年から急激に増加している。

「面白さ」は人それぞれだと思うので一概に定義することは難しい。しかし、人生の大部分を占める仕事で言えば、経済的な価値を提供することが目的であり、やれどやれど価値(≒報酬)がともなわない、またはともなう可能性が低い状況は決して面白くないと思う。例えれば、ある村にハンバーガーと言うものがなかった頃に、お店Aは米国のハンバーガーを真似て1000円で提供していた。お店Bも同じ頃に参入し、同じ質のハンバーガーを同じ価格で提供、お店AとBでそれぞれ半分ずつのシェアを取り、ビジネスは順調に成長していた。そこにマクドナルドがやってきて同じ質のハンバーガーを600円で提供し始めた。お店ABの熱烈なファンは多少いるかもしれないけど、ほとんどの人はマクドナルドに行ってしまい、お店ABは働けど働けど一向に儲からない(というか損をする)というような状態。お店ABの人たちはそのまま同じことをやってても絶対面白くないと思う。

そんなの当たり前だよー。ばかばかしい。でも、こんな状況が日本の色々なところに起こっているんじゃないかと思う。上の例を使うと、お店Aは「これまで順調に儲かっていたんだから、またきっとお客さんはもどってくるはず」とかお店Bは「お店Aがそのままの方針で行くなら自分たちもこのままがんばろう」なんてことになっているのでは。例え、お店ABが値段を600円に下げようとしたところで、世界中にチェーンを持つマクドナルドとは生産体制は大きく異なり、コストをまかなうことができない。

それではどうすればいいのか。マクドナルドとは違うハンバーガーを作る必要があるかもしれない。提供範囲を拡大する必要があるかもしれない。広告には芸能人を使う必要があるかもしれない。ハンバーガー事業を止めて別の事業にすべきなのかもしれない。要は何が答えなんだかもうわからない。なので、答えを自ら探し出そう、いや、答えを創り出そうとするチャレンジこそが重要になってくる。それが経済的な価値生み出す可能性を高める方法であり、結果的に面白さにつながっていくんだと思う。しかし、そうなった途端、どうしたらいいかわからなくなる。そりゃそうだ、そんな教育は受けていない。学校ではいつも必要な情報は与えられて、すでに決められた答えがある問題ばかり。それらから学んだ知識は、明確な答えのない状態で何をすべきかは教えてはくれない。

自分はM&Aが、明確な答えがない状況下で独自の答えを創り出す、またはそのプロセスをトレーニングする効果的な機会を提供してくれると考えている(M&Aが唯一の方法ではないです)。独自の答え創り出すためには、
・これまでとは違う情報や機会に目を向ける
・これまでの前提(過去の成功体験、既得権益など)を捨てて何が本当に必要かを分析し、解決策を考える
・勇気と信念を持ってリスクに立ち向かい、実行する
が必要になる。言うのは簡単、実行するのは難しい。

前職でM&Aに携わったとき、中小企業同士の、しかも同業にもかかわらず、サービスやシステムの作り方から、企業の文化、スタッフ個人の働くことに対する考え方まで様々な「違い」を目にすることになった。そして、それらをうまくひとつの企業としてまとめるには、従来のやり方を押し付けるのではなく、(できる限りかかわる人が満足するように)何が大切なポイントかを細かく分析し、ゼロベースで創る勢いでしなければいけなかった。そこには明確な答えなどは存在せず、自分で最適と思うものを決めなければいけない。そして、最後は普段だったら躊躇してしまうところを、M&Aでは遅れることが目に見えてコストだとわかるので、否が応でもリスクを取って実行しなければいけない状況に追い込まれた。

確かに自分が経験したM&Aは面白いことだけでなかったし、うまく行かなくてストレスが溜まることも多かった。しかし、自分のやろうとしていることが必要で価値のあることだと信じていたし、最終的には約20%のコスト削減という見える形の結果を得ることができた。多くの人がM&Aに関わることで、明確な答えのない問題への取り組み方を学び、「その方法が価値を提供できる可能性が高いんじゃないか」と思う人が増えれば、個人の面白さにつながり、そして日本全体の面白さにつながると思う。

・・・長い。絶対インタビューじゃ言えないな。

2010年4月29日木曜日

欧州と日本の財政問題

収まりかけていように見えていた問題が再燃!?

ギリシャとポルトガルの26日の金利急上昇(つまり価格下落・・・DCFの考え方です)、そして27日の評価格下げをきっかけに、欧州の信用不安が注目を集めている。投機筋のお金も結構入っているらしいけど、26日だけでギリシャの2年債の金利は10.408%から13.522%、ポルトガルの2年債は3.051%から3.985%。ユーロもドルや円に対してずっと下げてる。この不安はスペインにも来るんじゃないかという予測。

ギリシャの財政赤字はGDP比で13.6%(2009年)、8.7%(2010年予測)。ちなみに日本は11.3%(2009年)、9.3%(2010年予測)とほぼ同水準。もちろんどう調達するかによって資本コストが変わるので、おそらく対外に依存しているギリシャと対内という特殊な市場に依存している日本とでは状況が異なる。ただ、日本も数年後には対内の貯蓄を使って格安の資本コストで調達することは難しくなるため、非常に危険な状態なのは間違いない。

英国でも金融危機の影響がひどく、2009年度の財政赤字は11.4%になり、債務は68.1%に達してしまう(まあ、日本は200%弱に比べればかわいいものですが)。5月6日に総選挙が行われる予定で、労働党、保守党、自民党はぞれぞれ10億ポンド程度(約1.5兆円)の削減案を提案し、国民も財政の建て直しに注目、つまり非常に重要だと認識している。

かたや日本。ロイターによると、菅直人財務大臣は「第2のケインズ革命を起こすことで、この状況を打開できる」と言っている。これまでやって散々効果がなかったのに、まだ同じことをやろうとするのでしょうか。これ以上の財政の圧迫はかなり危険なのは明らか。

これ以上、若者に負担を増やすのはやめていただきたい。そうみんなで主張しましょう。

2010年4月28日水曜日

Cotswolds

友人からこないだの旅行の写真を手に入れたので載せまーす。


Cotwoldsの町並み。建物は古いけど、きちんと整っててキレイ。
そして町全体がのんびり。



ロンドンと違って交通量も多くないので空気がキレイ。
歩いている人も気のせいか穏やかな感じ笑




ちょっと路地を入ると小さな雑貨屋さんやレストランがたくさん。
ビジネスとして成り立つのかはちょっと謎だけど。




キレイな川が至るところにあっていい味出してます。
本とコーヒーを持って日向ぼっこをしたい。



小さな公園もたくさんあって、多くの家族がピクニックに来てた。
川の中に入ってみたけど水はすごい冷たい!



Hailes Abbeyという教会の跡。1245年ぐらい建てられた古い建物らしく、
ヘンリー8世の修道院解散(?)によって破壊されて壁がかろうじて残ってる。



Broadway towerという塔。塔は高台の上に建っていて、
山がないので遠くまで見渡すことができる。
天気が良かったので気持ちよかった。



最後に夕食をとったレストラン。値段は£20ぐらいで美味しかった。
地元の人気店らしく、中は満席でした。


写真にはなかったけど、道路の脇の草原では羊がとても多かった。もともとここは羊で栄えた地域らしいので、今でもその名残が残っているんだと思う。ロンドンに来たらぜひ寄ってみてくださいー。

2010年4月27日火曜日

株式分割と新株式発行

この小難しい話もなんとかM&Aまで持って行きたいと考えていたり。香港の会社がどうなのかは知らないけど、こっちのインタビューは結構知識を問うようなことを聞かれたりすることが多いらしいので。特に専攻とどんぴしゃだからなー。

前回は引き出したりする方を考えましたが、今回は増やす方を。ということで株式分割と新株式発行について。まずは、株式分割から。これは例えば「今の1株を2株に分割します」という単純な話。これは株主資本価値を上げる?下げる?変えない?





正解は変えない。ただ、株式を分割しただけなので。もちろん一株の価値は1株→2株にしたら半分になってしまいます。(冒頭で増やす方と言いつつ、実は価値は増えてない笑)

じゃあ、何のためにするのか。一般的には流動性を高めるためと言う意味合いが強いようです。一昔前は分割すると株価が上昇すると言う株式分割バブルなんてのもあったそうですが。あとは市場が株式分割の手続きに時間がかかった頃、ライブドアが発行が追いつかないくらい分割しまくって、(不正に?)高値になるように仕掛けていたなーんてことも。

次は新株式発行。公募したり、第三者を指定したりして、新しい株式を売りに出します。これは株式資本価値を上げる?下げる?変えない?





正解は上げる。現時点での一株の価値は、新株式の株価と等しければ変わりません。もし、新株式の株価がその価値を上回る場合は、新株主は損をし、既存株主が得をします。そして、その分一株の価値は上がります。逆に、下回る場合は新株主は得をし、既存株主は損をして、一株の価値は下がります。その後は、再投資と同じで、投資が資本コスト(割引率)を上回るか、下回るかで株主資本価値は変わってきます。これは、また銀行に例えると、新株式発行は新規株主が企業と言うちょっと変わった銀行に新しい銀行口座を作って、預け入れを始めることです。


さて、実は2つのことを無視して、これまで話をしてきました。気づきましたか?

一つは「分割や新株式発行にかかるコスト」です。分割や発行そのもののコストに加えて、名簿管理や株主総会の案内やらかかるコストがたくさんあります。これらは将来のフリーキャッシュフローを圧迫し、少なからず株主資本価値を毀損してしまいます。

もう一つは「議決権」です。株式はキャッシュをもらう優先権が一番低いため、企業の重要なことを決める議決権を持っていることが一般的です。分割では関係ありませんが、新株式発行では旧株式の議決権が希薄化してしまいます。これをDCFで説明しようとすると、(有利子負債があると仮定した場合)新株発行により、有利子負債に対する株主資本の割合が増加したために、全体の資本コストが増加し、例え一株の価値と株価が等しい場合でも、株主資本価値及び一株の価値は減少してしまうということになるかと思います。

逆に自社株買いでは、一部の株主が議決権を手放す形になるため、保有し続ける株主がより多くの議決権を得ることになります。これも同じようにDCFを使うと、有利子負債に対する株主資本が減少したために、全体の資本コストが減少し、例え一株の価値と株価が等しい場合でも、株主資本価値及び一株の価値は上昇することになるかと思います。もちろん自社株買いの場合には、一部の株主が全額引き出しをしているので、全体としては株主資本価値はマイナスになることが多いと思います。

このように厳密に考えるとちょっと変わってきます。ちょっと細かすぎ!?

2010年4月26日月曜日

電通とヤマダ電機

もうちょっとだけ自社株買い。

2008年なので少し古い話ですが、2社が有利子負債を使って資金調達をしながら、自社株買いをするという行動にとっています。電通はみずほ銀行からの借入、ヤマダ電機は転換社債を使って。稼いだお金ではなく、わざわざ借金をして自分の株式を買う。これにはどういう意味があるのでしょうか?

ヒントはWACCです。





答えは企業全体の資本コスト(割引率)を下げて、企業価値を向上させています。WACCにわくわくで企業全体の資本コスト(割引率)は企業の資本構成によって変わると言いました。加えて、有利子負債は株式よりも資本コストが低い(かつ節税効果がある)ため、有利子負債が増えれば増えるほど、企業全体の資本コストは低下します。もちろん、デフォルトリスクが増加しない程度が前提ですが。

ちなみに厳密に言うと、企業がすでに有利子負債を持っていいれば、ただ配当や自社株買いをするだけでも、有利子負債の割合を増やすことができ、企業全体の資本コスト(割引率)は減少します。逆に、ただキャッシュを保有していると資本コストばかりがかかってしまいます。

なんかちょっと不思議な感じがしますよね。でも、それだけ株式の資本コストは高いということです。

2010年4月25日日曜日

再投資?配当?自社株買い?

最近ブログが小難しいという声が聞こえてきますが、もう少し続けさせてください。今回は企業価値に直接影響を与えそうな、現在のフリーキャッシュフローの使い道について。ちなみに将来の使い道は企業価値に関係ないので。

フリーキャッシュフローは資本提供者(有利子負債の債権者と株主)に帰属するキャッシュフローという定義でした。まず、企業がしなければならないのは有利子負債の返済と利息の支払い。これに選択肢はありません・・・基本的には。なので、デフォルトの心配がない場合、有利子負債の価値は変動しません。問題は株主資本の価値。これは、残り分をどう使うかによって変動する可能性があります。

1つ目の選択肢は再投資。これはその名の通り、企業が稼いだお金をさらに次の事業に再投資すること。B/Sの右側には内部留保として積み立てられ、左側には投資した資産が計上されます。現時点では株主資本価値は変わらず。その後、この再投資が株主の期待収益率(割引率)以上なら価値は上がり、以下なら価値は下がります。銀行に例えると、再投資は企業というかなり金利変動の激しい銀行口座に預け続けることを意味します。

ちなみに、もしものためにキャッシュとして持っておくことも可能ですが、キャッシュ自体は何も価値を生み出さないので、ビジネスモデルや経済状況に合わせて、積み立ては最低限にすべきとされています。あまりキャッシュが多いと「配当しろしろ!」とやっかいな人たちに狙われます。

ちなみのちなみに、共産党から内部留保に課税をなんていう提案があったと聞いたんですが、内部留保は企業が稼いだお金のうち、再投資にまわしたお金を表してます。共産党は企業に再投資をするな!ということなんでしょうか?

2つ目は配当。これは稼いだお金を株主に分配すること。さて、ここで問題。配当をすると株主資本価値は上がる?下がる?変わらない?





正解は下がります。株主からすると投資したお金を経営者に託している状態なので、配当はその一部を引き出す行為にあたります。なので、託されているお金が少なくなれば、必然的に株主資本価値も(そして一株あたりの価値も)引き出された分だけ減少します。でも、株主は減少分と同等の配当をもらえるので、実際はトントンです。上の銀行の例を使うと、配当は株主が企業というちょっと変わった銀行口座から自分の預金の一部を引き出しているだけです。

もう一つ問題。ある企業は配当を増やすこと(増配)を決定しました。これは良いニュース?悪いニュース?





正解はそれだけではわからない笑。良い見方をすると予想以上に稼ぎすぎてしまった。悪い見方をすると投資先がなくなってしまって、やむを得ず配当する。ずっと配当しなかったマイクロソフトが2003年から配当を始めました。これは市場が成熟し、これまでような再投資による成長が難しくなったというメッセージでもあります。配当をするという行為は同じですが、どういうメッセージがあるのかをしっかり見極める必要があります。

最後の選択肢、自社株買い。これは企業が市場に出回っている自身の株式を買い戻し、消却または金庫株にすることです。さて、同じ問題。自社株買いは株主資本価値を上げる?下げる?変えない?





正解は下げる。ただ、一株あたりの価値は変わりません。具体的に考えると、ある企業の現在の株主資本の価値を10億円、発行済み株式数を1万株とすると、一株の価値は10万円。そして、その企業が発行済み株式数の50%にあたる5000株の自社株買いを実行。そうすると、キャッシュ5億円がB/Sの左側から消えて、右側にも同じ分のマイナス。一株の価値は5億円÷5000株=10万円で変わらず。

結局何をやってるのか?上の例を引き続き使うと、自社株買いは一部の株主が企業という口座から全額を時価で引き出していることに等しいです。なので引き出された分だけ残高は減ってしまいます。

これだけだと誰にメリットがあるのかわかりませんね。ここでポイントなのは「時価は必ずしも価値を反映しているとは限らない」ということと「自社株買いに応じる株主もいれば保有し続ける株主もいる」ということ。これらをふまえると・・・
・もし、時価が価値よりも低ければ(つまり割安であれば)、自社株買いに応じた株主が安く売ったために損をして、保有し続ける株主がその分得をする。
・もし、時価が価値よりも高ければ(つまり割高であれば)、自社株買いに応じた株主が高く売ったために得をして、保有し続ける株主がその分損をする。
という感じになります。

一般的に企業は「時価が割安だ!」と思って自社株買いをしてきます。そこには「もっと俺たちはやれるぜ」「実はいい機会があるんだぜ」という良いメッセージが含まれているかもしれないし、ハッタリかもしれない。なので、しっかり企業価値を見極める必要があります。

株主還元の配当と自社株買いの違いは上記の他に、配当は税金がかかるが、自社株買いで保有し続けることを選択すれば税金はかからないこと。そんな違いもあって、最近は配当よりも自社株買いが世界的に好まれる傾向にあるようです。

初めてロンドンの外へ

こないだ英国を出て、パリやスイス、バルセロナには行ったけど、ロンドン以外の英国にはまだ行ったことがない。ということで、同じコースのタイ人と香港人でCotswoldsというところへ1日旅行へ。

ロンドンから車で2時間ぐらい。小さな集落が点在していて、その地域全体をCotswoldsと呼んでるみたい。行った感想は、かなり良かった。英国を少し見直しましたw天候もちょうど暖かくなって来た頃だし、空気や水はキレイで、なにより雰囲気がのんびりしている。ロンドンとはえらい違い。

もう少し具体的に表すと、北海道に山を無くした感じかな。だからひろーく平野が見渡せる高台なんかがあったりする。もちろん集落の建物なんかは古いヨーロッパの町って感じ。でも、色が明るいクリーム色みたいなレンガで作られてるので、町全体が明るく感じる。バルセロナとかは灰色のレンガや石ばかりだったけど。中にはこじんまりとしたレストランや雑貨屋さんなんかがたくさんある。

そして、初めて海外で運転した。まあ、右ハンドルの左車線なので日本とあまり変わらなかったかな。違いがあるとすれば交差点の代わりにあるサークルのところ。あれはあれで便利なのかも。

自分で写真を撮ってないので、友だちからもらったら載せますー

企業価値を向上させるには?

いよいよ来ました。これまでのことをふまえて考えると、資本提供者から見た企業価値を算出するには「将来のフリーキャッシュフロー」と「割引率」の2つだけが必要。では、経営者はこの2つを考えて、どのようにすれば企業価値を向上させることができるのか。

まず、フリーキャッシュフローの方から。一つの方法は資本提供者が期待したとおりのフリーキャッシュフローを生み出すこと。そうすれば、期待収益率=割引率と同じ割合で企業価値は向上します。

・・・あれ、意外でしたか?

前にも書きましたが、企業価値とは資金提供者が要求するリターン(=割引率)が達成されると仮定した場合、将来のキャッシュフローを実現するために必要な現在の投資金額。フリーキャッシュフローが期待通りに成長すれば、企業価値も期待通りに成長し、資本提供者も期待通りのリターンが得られるというわけです。

「なんかおもしろくない。俺は資金提供者が期待する以上に企業価値を成長させるぞ!」という経営者は将来のフリーキャッシュフローを期待以上に生み出す必要があります。例えば、(NPVというのですが)新規プロジェクトに投資を考えるとき、投下資本を含めたプロジェクトの将来のフリーキャッシュフローを、資金提供者が期待する収益率(割引率)で割り引き、それが0より大きい場合、そのプロジェクトを採用することで企業全体の将来のフリーキャッシュフローを増大させることできます。逆に0より小さい場合、将来のフリーキャッシュフローは減少し、企業価値も毀損してしまいます。

言い換えると、経営者が将来のフリーキャッシュフローを増やす投資を考える場合、

1. どのくらいの投下資本が必要か?
2. どのくらいの将来のフリーキャッシュフローが見込めるのか?
3. そのフリーキャッシュフローはどのタイミングで発生するのか?


が大切。当然ながら、投下資本は大きければ大きいほど投資のリターンは低くなります。また、ポジティブなフリーキャッシュフローの発生が遅れれば遅れるほど、割り引かれる割合が大きくなり、価値は減少してしまいます。つまりは1年後の1万円と10年後の1万円の関係。

次に割引率について。割引率を低下させることで、全く同じ将来のフリーキャッシュフローでも、企業価値を向上させることができます。前回のWACCにわくわくで、資本構成によって企業全体の割引率が変化すると言いました。そして、一般的には株主の資本コストに比べて、有利子負債の資本コストのほうが低い(かつ節税効果がある)ので、有利子負債の割合を増やすことで割引率を低下させることができます。

じゃあ、「目一杯、有利子負債を増やした方がいいのか!」というのは早合点。

考えてみてください。例えばトヨタ自動車が有利子負債が20兆円、株主資本が2.4兆円だったとしたら投資したいと思いますか。負債の返済に追われて、ちょっとしくじれば倒産しかねない、そんな感じがしません?つまり、有利子負債を増やしすぎるとデフォルトリスク(倒産リスク)が増大し、有利子負債と株主資本のコストは増大します。要は有利子負債と株主資本のバランスが重要。そのバランスはその企業の成長ステージ、ビジネスモデル、資産の構成(有形無形)などによるので、これが最適!と言うのはなかなか難しい。

何はともあれ、上記の3点に追加して

4. 投下資本をどのように調達しているか?(資本コストはいくらか?)

も大切。この点は意外と忘れられがち。いくら投資そのものがいいリターンを出せるとしても資本コスト(割引率)が高ければ、結果的にはマイナスになり、企業価値を毀損してしまいます。また、逆に言うと、投資そのもののリターンは低くても、資本コストがそれ以上に低ければ、企業価値を向上させることができます。

例えば、5%のリターンを出す投資案件があるとします。銀行から3%で調達すれば、単純化して5-3=2%のリターンを出すことができます。もし、消費者金融から10%で調達すると5-10=-5%のマイナスのリターンになってしまいます。

理論的にはこれら4点を考えながら、将来のフリーキャッシュフローを資本提供者の期待以上に増やし、割引率を低下させることで、企業価値向上を実現することができます。これは同時に、経営者がしっかりと企業価値を向上に努力しているかを見るための資本提供者の視点でもあります。

ちなみに、多くの有利子負債を使って投資をすることを「レバレッジを利かす」と言います。例えば、リターンが20%の投資案件があるとします。投下資本を100として、企業がその全てを株式で調達(レバレッジ0倍)したすると、株主は20を得ることができます。もし、企業が金利5%の有利子負債100、株式100で調達(レバレッジ1倍)したとすると、債権者は5、株主は35を得ることができます。もし、企業が有利子負債200(金利5%)、株式100で調達(レバレッジ2倍)したとすると、債権者は10、株主は50を得ることができます。もし、・・・という感じで、有利子負債を増やせば増やすほど、株主のリターンはどんどん増えていきます。しかし、上でも述べましたが、レバレッジを利かせば利かすほどデフォルトリスクが高くなります。

Wikipediaにいいデータが。


投資銀行の行き過ぎたレバレッジが今回の金融危機の原因の一つなってると言われているけど・・・ちょっと明らかにやりすぎ。

2010年4月23日金曜日

WACCにわくわく

しばらく離れていた企業価値の話。インタビューで聞かれる可能性も高いので、その前にまとめておきたい。というわけで「難しい!」と言わずお付き合いください。きっと将来の資産運用に役に立つはず。

企業価値に向上させるにはーを考える前に、WACCについてもう少し見ておきたい。前回のなぜ割り引くのか?で客観的な割引率としてWACC(Weighted Average Cost of Capital)を使うのが一般的と言いました。友人曰く、実際にUBSでもバリバリ使ってるとのこと。

WACCは下記の式で計算されます。

WACC = D/(D+E)×rD×(1-税率)+E/(D+E)×rE
D: 有利子負債
E: 株主資本
rD: 負債コスト(割引率)
rE: 株主資本コスト(割引率)

なんかこう書くと難しい式に見えますね。要は、B/Sの右側の有利子負債Dと株主資本Eの加重平均をとって、それぞれの資本コスト(割引率)を掛けて足したもの。有利子負債のほうに(1-税率)がついてるのは、金利の支払いには税金控除があるから。株主資本には配当の税金控除がないのでついてません。

ここで理解したいのは、資本構成によって企業全体の割引率は変化すること。一般的に株主資本コストは有利子負債コストに比べて高い(なぜなら株式のほうがリスクが高いので、要求されるリターンも必然的に高くなる)、かつ金利の節税効果があるので、負債の割合を増やすと企業全体の割引率であるWACCを落とすことができます。逆に株式の割合を増やすとWACCは上がります。

ここからはより込み入った話になるので興味があれば。実際にトヨタ自動車のWACCを求めてみます。

WACCを求めるには会社の資本構成の他に、負債コストと株主資本コストを求めることが必要。負債コストの求め方には色々あるようですが、ここでは今から約9年後の2019年4月1日に償還予定の社債の割引率4.11%を使います。

次に株主資本コストはCAPMというモデルを使って求めます。これはリスクをマーケットによるものとその企業の株式特有のものに分けて考えて、株式全体の期待収益率(割引率)を算出します。CAPMの式は下記のように表されます。

E(r) = rf + β(rM-rf)
E(r): 株式の期待収益率(割引率)
rf: リスクフリーレート
β: 株式のβ
rM-rf: マーケットリスクプレミアム

リスクフリーレートには日本国債(10年)の金利1.34%を使います。βは株式のマーケットインデックス(TOPIXとか)に対する敏感度を表す指標。例えばある企業のβが2であれば、マーケットが1動いたときにその企業の株価は2倍動くということ。つまりそれだけリスクが大きいとも言えます。ここではBloombergから持ってきた1.10。マーケットリスクプレミアムは、TOPIXの10年間の収益率からリスクフリーレートを引いて・・・としたいところですが、あいにく10年間の収益率は-40.5%(ひどい!)。というわけで頼りないですが、2009年だけの収益率7.62%-1.34%=6.28%を使います。これらを上の式に入れて計算すると資本コストは8.25%と出ます。

トヨタ自動車の資本構成は2009年3月時点で有利子負債12.4兆円+株主資本10.0兆円。法人税率は40%とします。そうするとWACCは5.04%。これがトヨタ自動車の企業全体の資本コスト=期待収益率=割引率になります。

次こそは企業価値を向上させることを考えたいと思います。

2010年4月22日木曜日

Spring termのテストが終了

今日は2科目目で、前回と打って変わってほぼ過去問どおり。たぶんほとんどの生徒ができて、みんなハッピー。ただ、どう成績の差をつけるのか・・・。そして、1科目目が落としてないかが気になります・・・。

何はともあれ、テストは終わったので昼間から飲みに。明日テストがある学生がいるので、多くの人たちとーとはいかないけれど。なんか流れで、ドイツ人とアイスランド人と3人というめずらしい組み合わせ。アイスランド人は噴火の影響で英国入りが遅れて、残念ながら最初のテストに出席できなかった学生。

2人とも英語がうまいのなんの。聞き取りに全精力を注がないとついていけない。話題は就活の話になり、ドイツ人はこないだ行った旅行で行ったチューリッヒでFixed incomeの仕事の内定をもらっているとか。アイスランド人はたくさんアプライしているらしいけど、さっぱりだと言っていた。金融系ならなんでもいいとこだわりを捨てているみたい。2人の話を聞いていると、学部時代からずっとFinanceを勉強してきたということと、稼げる金額が他の職種と違うということから金融系を目指しているらしい。

アイスランドの経済について聞いてみたら、苦笑いしながら「状況は人によって全然違うなー」と言っていた。ただ、基本的に多くの人(もちろん企業も)が収入の何倍もの借入をして、消費をしていたらしいので、たくさんの個人が破産をしたらしい。そこにはしっかり低金利の円も絡んでいるとか。ちなみに金利はインフレを抑えるために18%あたりまで上昇。デフレの日本とは間逆です笑

それにしてもお酒に弱くなった。たったビールを4杯飲んだだけでフラフラ。彼らは顔色一つ変えないのに。きっと「なんて顔が真っ赤になるやつなんだ」って思われただろうな笑

2010年4月20日火曜日

油断

今日はテストの1教科目。結果から言うと大失敗した。続き問題で最初の問題をミスり、雪崩式におそらく40点ぐらい落としたと思う。正直、この科目を落とす可能性もないわけではない。

言い訳はしようと思えばいろいろある。
・南京虫のせいで勉強のスケジュールが遅れた
・例年よりも明らかに難しくなっていた
・雪崩式に失点するようなテストの作り方がおかしい
・単純に考えればできなものの難しく考えすぎた
などなど。

でも、一番の原因は油断だったのではないかと。今期は前期に比べて時間的に余裕もあったし、こっちでの生活にも慣れてきたりして、どことなく緊張感が足りない感じがしていた。また、もう一つの教科よりも、こっちに多くの時間を割いて、友だちに結構教えたりして、「ちょっとこの教科得意かも」なんて思うこともあった。そんな心の緩みがこの結果に集約された気がする。

これまでの経験から「これはうまくいくな」と思ってるときほどうまく行かない。テストもそうだし、テニスや仕事でもそうだったし。原因ははっきりしないけど、共通してるのはいつも油断をしている、そんな感じがする。一般的にも、例えば運転でもうまくなったと感じる頃が一番事故が起きやすいと言うし。「ちょっと大丈夫かな」と常に思っているくらいが自分にはちょうどいいのかもしれない。

テストのために勉強をしているわけではないけど、努力した分が結果として出ないのはなかなか辛いものがある。なんて言ってても何も始まらない。テストはあと1教科残ってるので、気を取り直して、明日できる限りの準備をしたい。

2010年4月16日金曜日

思いつくままに

書いてみる。まとまった時間もないので。

南京虫(トコジラミ)はあれから出ていない。このまま一週間出なければ完全退治かな?!電気を消して、安心して寝られるって幸せ。

最近は図書館かビジネススクールにこもってテスト勉強中。南京虫のせいで遅れた分をなんとか取り戻さないとと。試験は
20日(火) Asset Pricing and Derivatives
22日(木) Empirical Finance
の2教科だけ。

今日、修士論文の担当教官が割り振られた。自分はCorporate Financeを教えてもらっていたイタリア人。正直NPVの基礎の部分だけだったので、あまり教え方がうまいとか下手とかの感想すらない。ただ、このビジネススクールだけか知らないけど、担当教官には決まったタイミングでしか会えない(相談できない)という日本人からすると奇妙なシステム。合計で4回だったかな。なので、あまり担当教官は重要じゃないのかも。ちなみに自分のトピックはPrivate Equityにしました。

来月の半ば、インタビューを受けに香港に行きます。日系資本だけど、香港を拠点にしていて、主に日系中小企業のアジア進出とM&Aのコンサルティングをやっている会社。当初の欧州で就職~とは異なってしまうけど、結局こっちの企業もEU内の信用不安や成長のネタに困ってアジアを向いている感じがするので。あとは(スイス人の話を聞く限り)大手投資銀行で大企業を相手にするよりも、中小ビジネスと関われる方が将来にとってプラスになると思う。というわけで、もし香港に行く予定のある方は連絡ください。

最近、カナダに7年住んでたドイツ人としゃべる機会がけっこうあるけど、英語が速すぎてわからん。最近BBC聞きながら「おっ、成長したかなー」なんて思ってたけど、まだまだみたい。きちんとネイティブレベルの人の話を聞けるようになるのはいつになるやら。

アイスランドの噴火、結構すごいみたいですね。直接の知り合いではないんだけど、アイスランド出身のファイナンスの学生がこっちに来れなくて、テストを受けられない可能性があるとか。土曜日には復旧する予定らしいけど・・・。

ロンドンは気温はまだ低いけど、Hyde Parkの木々が葉っぱをつけ始めた。毎日通るとどんどんその数が増えていくのがわかる。植物の力ってすごいなー。はやく暖かくなって欲しい。

2010年4月15日木曜日

とりあえず

大家さんに相談して、南京虫(トコジラミ)できるだけ早く解決する方向で同意。以前、別の建物で南京虫と戦った経験があるらしくいろいろ詳しい。特殊な薬が必要だということも知っていた。知り合いに連絡しなくてはと言っていたので、きっとプロの業者の知り合いがいるんだろう。これはかなり期待できる。そして翌日(昨日)作業をすることに決定。

当日、プロを呼んでくれるのかと思いきや、時間に来たのは大家さん自身。手に持っているのが薬らしいが、7.5ポンドと書かれていて、ちょっと特殊な薬には見えない・・・。「これは以前使った薬と一緒か?」と聞いたら「そうだ」と言っていた。

とりあえず、部屋のベットやら棚やらを移動させて、ひたすらスプレー。あやしいところを重点的にこれでもかってくらい。おかげ部屋はいまだに薬臭い。結局作業中は一匹も出てこなかったけど。

というわけで、これから少なくとも一週間は様子見。なぜ一週間かは卵が孵るのに大体一週間かかる。そして初日の昨日の夜は何も出ず、刺されもせず。このまま治まって欲しいと心から願う。

2010年4月12日月曜日

睡眠不足

勉強で・・・と言いたいけど、南京虫(トコジラミ)で。金曜日にバルサン(赤の水タイプ)を焚いたけど、その直後にトコジラミの子供を発見。つまり普通に繁殖中。前回刺されたところがあまりにひどく、さすがにこれ以上刺されると体がやばいと思うので、寝ない日々が続いている。明日、大家と話をしてどうするか交渉をしようと思う。最悪は引越しもオプションに入れて。

ちなみにテストまで一週間。今日、コースワークを提出して無事1教科終わったけど、残りの2教科はまだ手付かず。こんな状態で間に合うのか・・・。

2010年4月8日木曜日

なぜ割り引くのか?

南京虫(トコジラミ)対策にケンコーコムからバルサンやゴキジェットとかを購入しようとしたら、国の医薬品ネット販売規制で、第二医薬品は過去に購入履歴があるか、離島に住んでないと購入できないとのこと。話には聞いていたけど、ほんとどうしようもない政策ですね。派遣労働者も貸金業者のときもそうだったけど、いつも表面ばかり規制をすればいいと思ってる。消費者からすると店舗で買おうが、ネットで買おうがなんら変わらないし。安全性を問題にするんだったら、販売者の体制や商品そのもののをチェックすべきでしょう。ってかゴキジェットのどこに安全性の問題があるんだ!?規制についてはケンコーコムのページがあるので。

さて、話は続いて割引率の話。DCFによる企業価値算出では将来のFCFを求めた後、割引率を使って割り引きます。なぜ割り引くんでしょう?これを考えるために一つ問題。

今のあなたには2つの選択できる権利があるとします。ひとつは今100万円をもらう権利。もうひとつは1年後に100万円をもらう権利。あなたはどちらを選択しますか?





おそらく多くの人が「今100万円をもらう権利」を選択したはず。なぜでしょう?考えられる理由は「1年後に100万円をもらえるか怪しいから」とか「今100万円をもらえば自由に使ったり、運用したりすることができるから」とか。ここから言えるのは「現在の100万円」と「将来の100万円」は多くの人にとって価値が違うということ。

なぜ価値が違うのか?それは上に書いた理由から。一つはリスク。1年後に100万円が本当にもらえるかなんてわかりません。その相手(個人、会社、国)がどういう状況になるかは誰にも予想できない。そういった不確実性を含んでいるため、一般的に、同じ金額であれば早めに確定したいと思うはず。

もう一つはリターン。今100万円もらえば、仮に超低金利をまだ続けている日本の預金でも100万円以上にはなる。ちなみに今日のMUFGの定期で0.06%。1年でわずか600円だけどorz。俺は株式投資で儲けることができるぜーという人であれば、もっと良いリターンで運用したいと思うはず。

他にも、インフレリスクというもので、今日本ではデフレといわれているけど、もしインフレだったら自然と貨幣の価値が目減りしていってしまうため、1年後の100万円は今の100万円より価値が低くなる。逆に負のリスクもある。100万円が何らかの形で盗まれてしまう可能性が高く、かつこの1年で消費する予定がない場合は、もしかしたら1年後にもらった方が得かもしれない。と色々あったりする。

というわけで、1年後の100万円の価値を考える場合、これらのリスクやリターンを考慮して割り引く必要がある。でも実は、このリスクとリターンは表裏一体だったりする。ある人からみて「これだけのリスクがあるなら、リターンはこれぐらいほしいな」というリスクに対して要求するリターンは1:1に定まる。もちろん完全市場でない場合、「客観的に」同じリターンでも異なるリスクの商品なんてのはごろごろ転がってはいるけど、「ある人」の持っている情報や判断は限られているため「主観的に」1:1に対応させることができる。

ちなみに効率的なマーケットであれば、全ての商品のリスクとリターンは客観的にも1:1に定まる。仮にハイリスクローリターンな商品が一時的にあったとしても、そんな商品みんな買いたくないので価格が下がり、結果としてリターンが向上する。なぜならリターンは収益÷価格だから。逆もしかり。ローリスクハイリターンな商品があれば、みんなか買いたいので価格が上がり、結果としてローリターンになってしまう。つまり、リスクに見合ったリターンを持つ商品しか存在しなくなる。言い換えると、おいしい話には必ず裏があるというわけ。

そんなこんなで下のような関係式が導き出せる。(ちなみにリスクはファイナンスではStandard Diviationとするので正確にはイコールではないです。イメージで理解してください。)
割引率
=資本提供者が認識するリスク
=資本提供者が期待するリターン

1年後の100万円であれば、資本提供者が「結構リスクあるな。これだと15%ぐらいのリターンは欲しいな」と考えれば、その価値は100万円÷1.15=87万円になり、「リスクは低そうだ。これだと5%ぐらいで十分だ」と考えれば、その価値は100万円÷1.05=95万円になる。つまり、ローリスクローリターンの方が、割引率が低くなり、将来のキャッシュフローが同じであれば価値は高くなる。

こないだのDCFで使った例をもう一度考えてみる。


この例では割引率を10%としていた。これを見てわかると思うけど「1年後のFCFの100万円のリスクはこれぐらいで、リターンは1.1^1(1乗)欲しいから、今の価値は91万円。2年後のFCFの100万円のリスクは・・・」を繰り返して、総和を取っているに過ぎない。つまり、企業価値とは資金提供者が要求するリターン(=割引率)が達成されると仮定した場合、将来のキャッシュフローを実現するために必要な現在の投資金額を表している。今までの話と同じように、資金提供者がリスクが高いと考え、要求するリターンを上げれば、割引率も高くなるため、企業価値は減少する。

ちょっと話がずれて、よく新聞で「金利上昇により債券価格が下落」なんて記事を見たりしませんか。自分は最初何を言ってんだかわかりませんでした。金利が上昇したらたくさん利息もらえるからむしろ上がるじゃないかって。実は、一般的には債券の利息(クーポン)は固定で、インフレリスクや国や企業の破綻リスクを考慮している金利が上がったため、その金利で割り引いた債券は価値が下がるというわけです。仕組みは全く一緒。

最後に一つ言い忘れたこと。前に書いたけど、割引率にはWACCという企業の資本構成からとマーケットと株価の関係から導き出された指標を使うのが一般的みたい。なぜなら客観性が比較的高いから。とは言えども、マーケットは効率的ではなく、マーケットと株価の関係も日々変化してしまうため、完全ではないのが実際。企業価値算出にあたり、将来のFCFの予測と割引率の算出はこれが正解!というなく、これらをどう求めるかが肝と言えます。

次回はどうやったら企業価値を向上させられるかについて。

2010年4月7日水曜日

なぜFCFを使うのか?

昨晩、トコジラミをもう一匹見つけてしまい、かなりブルーに。幸い、昨晩はどこも刺されてはいないみたいだけど、気になって睡眠不足・・・。

気を取り直して、前回はDCFで企業価値を求めました。DCFを使って企業価値を求めるには
・将来のFree Cash Flow (FCF)
・割引率
が必要。例では簡単のため事業を5年間と仮定したけど、一般的には企業は永遠に存続すると仮定して、Terminal Valueというのを求めるので年数については気にする必要なし。ただ、そのTerminal Valueを求める際に一定の成長率を仮定するので、これもどう定めるかは問題になるけど。

さて、これをもっと深堀りしてきましょう。

まず、なぜ企業価値に算出にFCFを使うのかを考えたい。企業生み出す価値を示す指標はFCFだけでなく、他のキャッシュフロー(C/F)だったり、営業利益や純利益だったりといろいろあります。なぜFCF??

理由はFCFがVCや銀行などの資金提供者に帰属するものだから。

FCFは営業C/F+投資C/F。投資C/Fは投資すればするほどマイナスになる(キャッシュが外に出て行く)ので、直感的には営業で稼いだキャッシュから投資した分を引いたもの。この残った分はどこに行くのか?それは有利子負債の債権者や株主、または企業自身に向かうことになります。

わかりやすい図がITProにあったので、勝手に添付。


この図だと、投資をした分と日々のリターンの差がFCFになり、そこから資金提供者へリターンとして支払われる。実は言うのを忘れていたのですが、いま考えている企業価値は資金提供者から見た企業価値になります。従業員や取引先から見た企業価値は違う部分に着目しなければいけないため(給与やフィーはFCFから支払われないため)、彼らから見た企業価値は変わってきます。

では、FCFはどのようにして資金提供者に向かうのか。思いつくのは下記の5つ。
- 有利子負債の返済
- 有利子負債の金利支払
- 配当
- 自社株買い
- 内部留保

一般的には内部留保は企業内の再投資に利用され、いずれは資金提供者の元へ。というわけで将来的には上記の何らかの形でFCFは資金提供者へ帰属することになります。

現在の企業価値と将来のFCFがどう使われるかということとは関係ありません。例えば、企業が将来配当をして企業価値を減少させたとしても、その株式を持ち続けている株主は減少分を配当として受け取ることができるので、結果トントン。ただし、内部留保→再投資の場合は一度得たFCFを、その企業に運用してもらう形になるので、運用次第によって将来の企業価値を減少させる可能性はあるけど。

ちなみに会計上の利益を使わないのは、利益は経営者の恣意的な判断が入るため、企業の儲けを正確に表していない可能性がある。極端に言えばいくらでもいじれてしまう。というわけで、DCFでは会計上の利益は使わないみたい。

次回は割引率について。

2010年4月6日火曜日

企業価値を求めるぞ

とその前に、なぜ価値を求める必要があるのでしょう?

「モノには価格があって、実際に売り買いするときには、価値ではなく価格で取引を行うから価値を考える必要はないよ」と考える人もいるのでは。

じゃあ、取引をするときに、その価格が「安いか」または「高いか」を考える必要があると思うけど、それってどう決めることができるのでしょう?

そうです、そのモノの価値を知っているから、その価格が「安い」とか「高い」とか、または「適正だ」と知ることができるんです。価格は必ずしもその価値を反映しているとは限らない。その価値を知らないと、価値が低いものを高い価格で買ってしまうなんでことも十分に起こりえます。よく言われるのは掛け捨てじゃない保険とか。バブルに乗った会社の株式とかもわかりやすい例かな。そんな詐欺に遭わないためにも、モノの価値を知っておくことが大切。

さて、企業価値。求め方には色々な方法があるけど、ここではDCFという方法を使って考えたい。DCFはDiscounted Cash Flowの略で、言葉そのまま、会社が生み出すキャッシュフローをディスカウント(割り引く)することで企業価値を算出する。細かいことは置いておいて、とりあえず一通りやってみよう。

まず、企業が生み出すキャッシュフロー(C/F)と言っても下に書いたようにいろいろある。一般的にはフリーキャッシュフロー(FCF)というものを使い、FCFは営業C/Fと投資C/Fを足し合わせたものと考えます。
- 営業C/F: 企業の事業から生み出されたC/F
- 投資C/F: 設備投資などから生み出されたC/F
- 財務C/F: 銀行やVCなどから調達されたC/F

ディスカウントはどれくらい割り引くかを示す割引率を求める必要がある。これもいろいろな方法があり、一般的な企業の資本構成を考慮したWACCを使うのが一般的。これ以上行くと説明が小難しくなるので省略笑。興味があればGlobisのWebでも。

さてさて、企業価値を求めるために超シンプルな例にします。企業のFCFはこれから5年間にわたって毎年100万円と予測されているとします。この企業のWACCは10%。通常は企業は永遠に存続する(ゴーイングコンサーンというやつです)と仮定するけど、ここでは5年で廃業するということに笑。

実際にこの企業の価値を求めてます。DFはDiscount Factorの略で、1+WACCを年で乗数計算したもの。2年目だったら1.1の2乗で1.21という感じ。PVはPresent Valueの略で、日本語だと現在価値。算出はFCFをDFで割算したもの。例えば100÷1.21=83。FCFがしっかり割り引かれてますよね?これがDiscounted Cash Flowという言われる所以です。


という感じで計算して、この企業は価値は5年間のPVを足し合わせたもの、つまり377万円ということになります。

どうです?意外と簡単でしょ?

でも色々疑問が出てくるはず?なぜFCFを使うの?割引率は何を表してるの?ってかそもそも何で割り引くの?次回はそのあたりを考えたい。

孫さんの会社説明会

のビデオがUstreamに上がっていたので見た。時間にして2時間20分。その長い時間を休憩なしでしゃべり続けられるだけでもすごいけど、内容もさらにすごい。

簡単にまとめてしまうと、「この先行き不透明な時代、志を高く持って、リスクを取って、死ぬ気で努力して、大きなことを成し遂げようじゃないか。一度しかない人生なんだから。

実際に孫さんのこれまでの経験を交えながら、どのような考え(志)を持ってやってきたかを語ってくれた。もちろん孫さんに会ったこともないし、良く知ってるわけではないけど、話を聞く限り、でかいビジョンを描きながら、それを実現していく、彼の意志と実行力はすごいと思う。本人も言ってたように、博打的な要素は否めないが。でも「絶対成し遂げるぞ」という強固な意志と体が引きちぎれるような努力(本人の表現)がそれを勝利に持っていったんだろう。

もう一つ印象深かったのは「登りたい山を決めること。それが人生の半分を決める。」という言葉。これはその通りだと思う。昨日もたまたま似たようなことを書いたけど、好きではないことに大きな志を持つことはできないし、それを実現する努力をすることもできないと思う。目の前のやらなきゃいけないことも重要だけど、自分の登りたい山を見つけるための時間をつくらなければいけない。

残念ながら今は見れなくなってしまっている。他にもあるかもしれないので、ぜひ探して見てほしい。

2010年4月5日月曜日

企業価値ってなんぞや

休みに入ってから、グループワークやテスト勉強などをしなければいけないんだけど、どうも別のことに頭を使ってしまう。といってもCorporate Financeのことだけど。自分の中でわかっているようで、わかっていない。そんなふわふわした感じ。ということでここに書きながら整理してみようかと。興味があれば読んでください。将来どこかで役に立つかも!?

ファイナンスという学問(実務も)は、前にも書いたけど、株式や債券などの金融商品、不動産などの適切な価値をいかに算出するかに尽きると思う。うまくやれば恋愛などの日常生活にも適用可能だとか・・・より主観的になるからかなり難しいと思うけど。

さて、まずは身近な「企業価値」から。みんな企業で働いているし、自分の企業価値っていくらなんだって気になるはず。「経営者は企業価値を最大化することが仕事だー」なんてことをよく聞いたりするけど、そもそも企業価値ってなんだ?


「企業価値は企業の価値です」と答えたあなた、正解です。


じゃあ、日経新聞などでよく「時価総額」ってのも聞くけど、違いはなんでしょう?






正解は「時価総額」は株式だけの価値で、「企業価値」は有利子負債(借入や社債、つまり借金)を含めた価値。英語ではMarket CapitalizationとEnterprise Value。企業は有利子負債か株式のどちらかを使って(というかそれしかない)資金調達をするので、両方を足したものが企業全体の価値になる。別の言い方をすると、有利子負債の債権者と株主の持っている価値の総和が企業価値ということ。2つを式で表すと

時価総額=株価×発行済み株式数

企業価値=時価総額+有利子負債-現金

になる。現金を引くのは今有利子負債の一部を返すまたは自社株買いより還元すると仮定するため。正確には他にも優先株式を足したりするみたいだけど、めんどくさいので省略。

以前、VC's Valuation Methodsで紹介したNPVなどのDCFと呼ばれる価値評価方法。これらは「企業価値」または「時価総額」のどちらを求めるでしょうか?

もしDCFを知っていたら考えてみてください。わからなければ飛ばしてください。





正解は「企業価値」の方。なぜなら会社のフリーキャッシュフローは株式と有利子負債で調達した資金を使って生まれてくるから。

個人の場合、企業の株式を買ったり、ストックオプションを保有したりすることがほとんどなので「企業価値」よりも「時価総額」のほうが気になる。だから新聞でもよく目にするというわけ。米国のYahoo!だと企業価値も載せてるけど、日本のYahoo!や日経は時価総額しか載せてない。

さて、そろそろ大学に行かねばなのでまた今度。次は企業価値を求めてみたい。

ピカソと好きなこと

バルセロナに行ったときにピカソ美術館に行きました。

これがすごく良かった。何が良かったかというと、彼の完成された作品だけではなく、日々使っていたノートみたいなものが置いてあり、彼が普段どのように考えていたかを少しだけ知ることができる。普通の美術館だと完成された作品しか置いていないので、その作者がどのような過程を経て、その作品を完成させるに至ったかを知ることができない。感受性に乏しい自分としては、ちょっとそれだけじゃ物足りない。

ピカソのノートを見ていて思ったのは、彼みたいな天才(たぶん)でも努力していたんだということ。本人は努力しているという認識があったかはどうかわからないけど、普段から自分に見えたものをひたすらノートにアプトプットするということを繰り返しているような感じだった。正直、これを見る前は、何も知らなかったので、ビビっときて、一気に描いちゃうみたいな感じなのかと思ってた。

勝手に想像するに、ピカソは絵を描くことが好きだったんだと思う。好きだから常に自分が描くことを考えて、アウトプットするトレーニングを誰から言われるわけでもなく、プレッシャーをかけられるわけでもなく繰り返すことができたんだろう。そういうことを続けることで、早年からすばらしい作品を描き、それに満足することなく新たなスタイルを打ち出し続けた。

自分も好きなことにのめりこみやすいと思う(でも冷めやすい)。長く続いたのは、例えばダビスタという競馬ゲーム。誰から言われるわけもなく、プレッシャーをかけれるわけもなく、多大な時間を費やし、リセットボタンを7万回以上押し(PSの一作目)、最強馬の生産に励んだ。暇さえあれば血統書を読み、普通に中学校に持って行って、常に配合を考えたりしてた笑。ダビスタを通じてピカソみたいにすばらしい価値を提供できたかは疑問だけど、これをきっかけにインターネットを始め、ホームページを作って色々な人とコミュニケーションを取って、プログラミングに興味を持って・・・と、自分の人生にプラスになってると思うから良しとしよう。

このダビスタは少し例外で、自分の場合は今のところの認識としては(怠け者なので)外からのプレッシャーが多少必要らしい。それは締め切りのようなものかもしれないし、人からの期待かもしれない。ただ、いくらプレッシャーがあろうが、自分が好きでなければ続けることができないわけで、ピカソを見て、改めて好きなことをやるって大切だなーと思った。

仕事を自分の好きなことにすべきかというよくある問い。仕事の定義にもよるけど、もし仕事で何かを変えたいとか、新しいことを創りだしたいとか思っているのであれば、仕事を好きなことにすべきだと思う。今なければ、それを探すために時間を割くべき。

さて、自分の次の好きなことはなんだろうかー?

2010年4月4日日曜日

南京虫の恐怖

南京虫(別名:トコジラミ)という虫をご存知でしょうか。こいつが旅行から帰ってきて自分の部屋で問題を起こしました・・・。

気づいたのは旅行から帰って数日経ってから。大学から帰ってるときに、なんか足がかゆい。それもめちゃくちゃ。家に帰ってジーンズを脱いで確認してみると、大き目の湿疹が5、6個足にできてるじゃありませんか!?

その数は順調に増え、お尻や腕、そして首や顔まで。合計で50個ぐらいはいったかな。目に見えない敵に恐怖を覚えました。最初はダニかと。でも寝るときに服で隠れている部分もあるのでちょっと不自然な感じ。いろいろネットで調べていると「南京虫」なる虫がいること発見。

こいつは日中はベットの近くに住処をつくりじっとしていて、夜になると巣から出て、人の血をすいに来る。繁殖力も強く、毎日卵を産み、一週間で孵化するとか。そして成虫になる前から血を吸い始める。まじ書いているだけでもかゆくなる。

繁殖をするようになったらどうしようもなくなり、専門の業者に殺虫をお願いすることになる。バルサン霧タイプ×2で退治できたという情報も。普段使う殺虫剤が昔に比べて弱いものになり、さりげなく世界中で増えてきているとか。もちろん日本でも。

そんなやつを旅行中に(たぶんフランス)から連れてきてしまったらしい。とりあえず一匹見つけて、トイレへ流してやりました。その後は被害がないので、このままおさまって欲しい。卵を産んでないことを心の底から祈る。

みなさんも気をつけてください。まずホテルに入ったら、ベットに虫がいないかをチェックしてください。

2010年4月3日土曜日

欧州旅行~バルセロナ

今日は夕方から大学で勉強。この旅行が原因でグループワークに完全に出遅れてしまい、なんとかして貢献しようと試行錯誤。このグループはみんな「できる」人たちなので、かなり難しいー。負けないようがんばります。

では、スペイン。狭いバスの座席に揺られながらジュネーブからバルセロナまで10時間ちょっと。ようやく着いたときには体がめっちゃ痛くて、くたくた。


そのバス。悪くないけど、座席が自分には狭い・・・。



くたくただけど時間を惜しんでサグラダ・ファミリアへ。
でかすぎて撮りきれません。



逆の入口から。色がえらく違うなーw



中にある柱。樹をモチーフに造られてるとか。



実はガリガリ工事してます。



昼食はパエリア、パエリア~♪



動物園の近くにある公園。Hyde Parkとは違う感じだったけどキレイ。
色んな人たちが日向ぼっこをしてた。スペインのお昼寝タイムかな。


この後、駅の近くに行ったので駅員(S)に夜行列車の返金を求めた。

K:昨日、スイスからの夜行電車がストライキで運行中止になった。知ってる?
S:知ってるよ。
K:僕らはチケット持ってるけど乗れなかった。なので返金し欲しい。
S:ここじゃ無理だ。このチケットに書いている会社に連絡してくれ。
K:どう連絡したらいい?連絡先を教えてほしい。
S:・・・。
K:黙られても困る。僕らはバスに乗るためにお金を払ったんじゃない。この夜行電車に乗るためにお金を払ったんだ。あなたたちはサービスを提供していない。返金すべきだ。
S:返金すればいいのか?
K:そう!
S:わかった。
K:(全額を受け取る)

というやり取り。目指せNoと言える日本人!久々に英語が(ちょっと)話せて良かったと思った。たぶん、こうでもしなかったら返金はされなかったと思う。あー、すっきりしたw


気分も晴れて、バルセロナのビーチへ
白い砂浜・・・というわけではないけど、とてもキレイ。



水はなかなか冷たかった。でも水の中に入っている強者もいたり。



バルセロナの街並み。南国っぽいねー。



これは何でしょう?



正解は生ハム(足の部分)。こんな売り方をしてるなんてさすがです。
友人へのおみやげにしたかったけど、でかすぎて無理!



ラ・ランブラ通りから少し入った古い建築が残るとこ。



ラ・ランブラ通りから入った小道。こんな感じのがたくさんある。
そして小さいお店も結構あっておもしろい。



ピカソ美術館の中庭。ピカソのような天才でも努力してたんだ。



ラ・ランブラ通りに接続してるマーケット。
海の近くだけあって魚介が豊富にあった。もちろんハムも。



マーケットで買った・・・名前忘れた。
味は中東って感じかな・・・



ピカソが通っていたというカフェ。とにかくうるさい
ウェイターもガチャガチャ平気で音を立てるし。ほんとに通ってたか疑問・・・。
パリのウェイターが懐かしいw


という感じであっという間に時間は過ぎ、カタルーニャ広場からバスで空港へ。ロンドンまでは格安航空会社EasyJetを利用。初めて自由席の飛行機に乗った。

同じ欧州でもバルセロナはまたパリやスイスと違った感じでおもしろい。しかも街が小さいかと思ってたら、結構でかくてびっくりした。いろんな小道があって冒険する感じ。全てを見るには時間が足りなかったなー。あと良かったのはコーヒーが安かったこと。1.2ユーロとかだったかな。逆に意外だったのは英語があまり通じなかったことかな。もちろんホテルとかでは問題ないけど。

ちなみにバルセロナはスリがものすごく多い地域。自分らもバックに常に鍵をして、パスポート類は肌につけて持ち歩いてた。旅行する方はお気をつけあれー。

次はアフリカ辺りにでも行くかなーw

2010年4月2日金曜日

欧州旅行~スイス

ネットワークの不調とフラットのトラブル(詳細は後日)で間が開いてしまった。何もないとロンドンで住むのも悪くないかなと思うけど、問題が起こるとやっぱり日本は住みやすいなと思ってしまう。もちろん慣れているということもあるんだろうが。

というわけで、気を取り直してスイス編。スイスはチューリッヒ→ルツェルン→ベルンに行きました。


パリ東駅から乗ったTGV。
ICEというスイスの鉄道に乗り入れてるので直行♪



フランスの車窓から笑。郊外は田舎ですねー。
スイスに入ったら一気に雰囲気が変わりました。



チューリッヒの街並み。街の中心部ではトラムが走っていて、
ガソリン車は中に入れないみたい。なので空気がキレイ!



小道を入ったところ。こういう小道がたくさんあります。
家の色がカラフルでスイスっぽい。



トラムと湖とアルプスの山々。のんびりした感じで好き。



湖でたたずむ自分。日本と違って湖の水がめっちゃキレイ。



とんがり帽子の教会。欧州は教会がたくさんあります。



昼食を取ったソーセージ屋さん。
ファーストフードっぽいけどうまかった。



スイスの国鉄に乗ってその日のうちにルツェルンへ。


翌日は山に行く予定でしたが、天気が悪く翌日にすることに。代わりにルツェルン観光をしました。


ルツェルンのシンボルであるカペル橋。
14世紀に造られた屋根付きの橋で、欧州で最も古い木造の橋だとか。



カペル橋の中。絵は町の歴史などを描いているみたい。
ちなみにスイスの元首都だとか。



町の中の小道。スイスは小道が好きみたい。



町の教会。どの町にもたくさんあります。おかげで教会マニアになりそう笑



教会のなか。スイスの教会は比較的新しくて、明るいところが多かった気がする。



スイスと言えば・・・そうです、チーズフォンデュ。
スイス料理だって知ってました?自分は正直苦手かも。



これもスイス料理。ソーセージはテッパンだな。


そして次の日、天気は微妙だったのですがリギ山に行ってきました。


登山鉄道の発着駅までフェリーで行く予定が目の前で出発。
急遽、電車とバスを乗り継いで行くことに。



スイスの車窓から。見えてきましたリギ山!って最初から見えてるけど。



これが登山鉄道です。これも欧州で一番古いんじゃなかったかな?



登山鉄道の中から。予想以上に急で、お尻が落ち着かない。



この勾配が伝わるかな?



山頂付近は、雪が積もってます・・・はい。



町側はそこそこ見えるんだけどなー。肝心のアルプス側は・・・雲だらけ泣



帰りは予定通りフェリーで。



フェリーの上から。さらばアルプスの山々よ。



急いでベルンへ。街全体が世界遺産というだけあってキレイ。
でも、もう日が暮れそう・・・。



橋の上から見た街。もう暗いです。



今日は夜行電車で移動なので、ベルン駅で表示を確認してみると・・・Ausfall?


スイスも街づくりをしっかり考えていて、建物は整えられてるし、空気や水がとてもキレイで住みやすそう。ロンドンやパリに比べると日本に近い気がするし。ただ問題は物価の高さ。ロンドンや東京よりも全然高い。あらゆるものが高い。あまりの高さから国境付近の人は節約するために、週末にドイツやフランスに買いだしに行ったりするのだとか。スイスに住みたいなら貯金が必要みたいです。

そしてAusfallはどうやら「欠航」という意味らしい。駅のインフォメーションセンターに聞いたら「その電車はプラットフォームないよ」とか軽く言われる始末だし。結局、ジュネーブまで電車で行って、そこからバルセロナまでバスで行くことに。せっかく一等車だったのにー(二等車とそんなに値段変わらないけど)。