昨晩、トコジラミをもう一匹見つけてしまい、かなりブルーに。幸い、昨晩はどこも刺されてはいないみたいだけど、気になって睡眠不足・・・。
気を取り直して、前回はDCFで企業価値を求めました。DCFを使って企業価値を求めるには
・将来のFree Cash Flow (FCF)
・割引率
が必要。例では簡単のため事業を5年間と仮定したけど、一般的には企業は永遠に存続すると仮定して、Terminal Valueというのを求めるので年数については気にする必要なし。ただ、そのTerminal Valueを求める際に一定の成長率を仮定するので、これもどう定めるかは問題になるけど。
さて、これをもっと深堀りしてきましょう。
まず、なぜ企業価値に算出にFCFを使うのかを考えたい。企業生み出す価値を示す指標はFCFだけでなく、他のキャッシュフロー(C/F)だったり、営業利益や純利益だったりといろいろあります。なぜFCF??
理由はFCFがVCや銀行などの資金提供者に帰属するものだから。
FCFは営業C/F+投資C/F。投資C/Fは投資すればするほどマイナスになる(キャッシュが外に出て行く)ので、直感的には営業で稼いだキャッシュから投資した分を引いたもの。この残った分はどこに行くのか?それは有利子負債の債権者や株主、または企業自身に向かうことになります。
わかりやすい図がITProにあったので、勝手に添付。
この図だと、投資をした分と日々のリターンの差がFCFになり、そこから資金提供者へリターンとして支払われる。実は言うのを忘れていたのですが、いま考えている企業価値は資金提供者から見た企業価値になります。従業員や取引先から見た企業価値は違う部分に着目しなければいけないため(給与やフィーはFCFから支払われないため)、彼らから見た企業価値は変わってきます。
では、FCFはどのようにして資金提供者に向かうのか。思いつくのは下記の5つ。
- 有利子負債の返済
- 有利子負債の金利支払
- 配当
- 自社株買い
- 内部留保
一般的には内部留保は企業内の再投資に利用され、いずれは資金提供者の元へ。というわけで将来的には上記の何らかの形でFCFは資金提供者へ帰属することになります。
現在の企業価値と将来のFCFがどう使われるかということとは関係ありません。例えば、企業が将来配当をして企業価値を減少させたとしても、その株式を持ち続けている株主は減少分を配当として受け取ることができるので、結果トントン。ただし、内部留保→再投資の場合は一度得たFCFを、その企業に運用してもらう形になるので、運用次第によって将来の企業価値を減少させる可能性はあるけど。
ちなみに会計上の利益を使わないのは、利益は経営者の恣意的な判断が入るため、企業の儲けを正確に表していない可能性がある。極端に言えばいくらでもいじれてしまう。というわけで、DCFでは会計上の利益は使わないみたい。
次回は割引率について。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿