2010年4月26日月曜日

電通とヤマダ電機

もうちょっとだけ自社株買い。

2008年なので少し古い話ですが、2社が有利子負債を使って資金調達をしながら、自社株買いをするという行動にとっています。電通はみずほ銀行からの借入、ヤマダ電機は転換社債を使って。稼いだお金ではなく、わざわざ借金をして自分の株式を買う。これにはどういう意味があるのでしょうか?

ヒントはWACCです。





答えは企業全体の資本コスト(割引率)を下げて、企業価値を向上させています。WACCにわくわくで企業全体の資本コスト(割引率)は企業の資本構成によって変わると言いました。加えて、有利子負債は株式よりも資本コストが低い(かつ節税効果がある)ため、有利子負債が増えれば増えるほど、企業全体の資本コストは低下します。もちろん、デフォルトリスクが増加しない程度が前提ですが。

ちなみに厳密に言うと、企業がすでに有利子負債を持っていいれば、ただ配当や自社株買いをするだけでも、有利子負債の割合を増やすことができ、企業全体の資本コスト(割引率)は減少します。逆に、ただキャッシュを保有していると資本コストばかりがかかってしまいます。

なんかちょっと不思議な感じがしますよね。でも、それだけ株式の資本コストは高いということです。

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