2010年2月12日金曜日

VC's Valuation Methods

今回は自分の頭をまとめるために書いています。
興味があれば読んでみてください。

Venture CapitalがValuationに使う手法は大きく分けて5つあると言われている。

1.Comparable
似たような企業(事業、財務状況、リスク、成長率など)をピックアップして、それらの企業とターゲットとしている企業とのPERやPBRなどを比較しながら、ターゲットの企業価値を絞り込んでいく。

[Advantages]
・簡単で理解しやすい

[Disadvantages]
・比較する企業のValuationが当てにならないかもしれない
・会計データは財務状況などさまざまなファクターによって影響を受けてしまう
・比較する企業が非公開企業の場合、入手可能な情報が非常に限られている
・比較する企業が公開企業の場合、流動性リスクを考慮する必要がある

2.Net Present Value
VCにかかわらずもっとも一般的な手法。ターゲットの企業のキャッシュフローの予測を期待収益率(Discout rate, 一般的にはWACC)で割り引く。それらをすべて足し合わせたものを企業価値とする。

[Advantages]
・理論的

[Disadvantages]
・キャッシュフローの予測が難しい
・キャッシュフローがNegativeな場合、企業価値はNegative
・リスクをDiscount rateに反映させることが難しい(βはないし、βがリスクを反映しているかも疑問)
・WACCはDebt/Equityとtax rateが一定であることを前提としている
・Terminal valueがDiscount rateやGrowth rateに敏感

3.Adjusted Present Value
基本的なアイデアはNPVと同様。違いは企業のDebtがないと仮定してDiscount rateを計算し、キャッシュフローを割り引く。その後、金利によるTax shieldsやNOL(Net Operation Loss)などによる税控除を計算し、企業価値を割り出す。

[Advantages]
・理論的
・Debt/EquityとTax rateが一定であることを前提としない→LBOによく使われる

[Disadvantages]
・NPVに比べて複雑
・WACC以外のNPVのDisadvantages

4.Venture Capital IRR
VCに特化した手法で、もっともよく使われているらしい。Exit yearにおけるキャッシュフローを予測し、一般的にはMultipleまたはDCFを使ってTerminal Valueを計算する。要求するリターン(IRR)を設定し、Terminal Valueを割り引いて投資後の現在価値を計算(Implied Post-money Valuation)。投資を考えている金額を引き算して、投資前の現在価値を計算(Implied Pre-money Valuation)。その後、将来の株式の希薄化などを考慮して、Retention Ratioを計算し、一株あたりの価格を計算し直す。

VCが設定するIRRは下記が一般的。
Seed: over 80%
Startup: 50-70%
First-Stage: 40-60%
Second-Stage: 30-50%
Bridge: 20-35%
(Large firm Stock): 12%
(Long-term Bond): 10%

[Advantages]
・簡単で理解しやすい

[Disadvantages]
・IRRの設定が経験則(下記を考慮していると言われている)
 - Systematic risk
 - Liquidity premium
 - Value added
 - Cashflow Adjustment
・Multipleは一般的にはComparableで算出→ComparableのDisadvantages

5.Option Analysis
VCは一般的に何回かに分けて投資を行う(Multi-stage investment)。投資を分けることでNegativeのペイオフを回避できるのではないか→オプションに似ているというのがアイデア。実際にBlack-Scholes formulaを使ってValuationする。

[Advantages]
・投資するしないのFlexibilityを考慮できる

[Advantages]
・あまり知られていない
・現実の複雑さを考慮できない
・Black-Scholes formulaの限界

最後に
There is no perfect method for valuing high risk, long-term investments. Valuation is part art and part science, and no one can predict the future with certainty. However, decision must be made, and using analysis to narrow the region of feasible or desirable can be extremely useful.

引用: A method for valuing high-risk, long-term investment by Harvard Business School Case

もし質問があればコメントにください。

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