とその前に、なぜ価値を求める必要があるのでしょう?
「モノには価格があって、実際に売り買いするときには、価値ではなく価格で取引を行うから価値を考える必要はないよ」と考える人もいるのでは。
じゃあ、取引をするときに、その価格が「安いか」または「高いか」を考える必要があると思うけど、それってどう決めることができるのでしょう?
そうです、そのモノの価値を知っているから、その価格が「安い」とか「高い」とか、または「適正だ」と知ることができるんです。価格は必ずしもその価値を反映しているとは限らない。その価値を知らないと、価値が低いものを高い価格で買ってしまうなんでことも十分に起こりえます。よく言われるのは掛け捨てじゃない保険とか。バブルに乗った会社の株式とかもわかりやすい例かな。そんな詐欺に遭わないためにも、モノの価値を知っておくことが大切。
さて、企業価値。求め方には色々な方法があるけど、ここではDCFという方法を使って考えたい。DCFはDiscounted Cash Flowの略で、言葉そのまま、会社が生み出すキャッシュフローをディスカウント(割り引く)することで企業価値を算出する。細かいことは置いておいて、とりあえず一通りやってみよう。
まず、企業が生み出すキャッシュフロー(C/F)と言っても下に書いたようにいろいろある。一般的にはフリーキャッシュフロー(FCF)というものを使い、FCFは営業C/Fと投資C/Fを足し合わせたものと考えます。
- 営業C/F: 企業の事業から生み出されたC/F
- 投資C/F: 設備投資などから生み出されたC/F
- 財務C/F: 銀行やVCなどから調達されたC/F
ディスカウントはどれくらい割り引くかを示す割引率を求める必要がある。これもいろいろな方法があり、一般的な企業の資本構成を考慮したWACCを使うのが一般的。これ以上行くと説明が小難しくなるので省略笑。興味があればGlobisのWebでも。
さてさて、企業価値を求めるために超シンプルな例にします。企業のFCFはこれから5年間にわたって毎年100万円と予測されているとします。この企業のWACCは10%。通常は企業は永遠に存続する(ゴーイングコンサーンというやつです)と仮定するけど、ここでは5年で廃業するということに笑。
実際にこの企業の価値を求めてます。DFはDiscount Factorの略で、1+WACCを年で乗数計算したもの。2年目だったら1.1の2乗で1.21という感じ。PVはPresent Valueの略で、日本語だと現在価値。算出はFCFをDFで割算したもの。例えば100÷1.21=83。FCFがしっかり割り引かれてますよね?これがDiscounted Cash Flowという言われる所以です。
という感じで計算して、この企業は価値は5年間のPVを足し合わせたもの、つまり377万円ということになります。
どうです?意外と簡単でしょ?
でも色々疑問が出てくるはず?なぜFCFを使うの?割引率は何を表してるの?ってかそもそも何で割り引くの?次回はそのあたりを考えたい。
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