自分の興味
自分の興味 その2
自分の興味 その3
自分の今後のキャリアについては、
20、30代については日本のために何かしよう
40、50代については世界のために何かしよう
60代以降はパン屋をやろう
と考えている。
ということで、しばらくは日本のために何かしたい。周知のとおり、少子高齢化や財政の問題、発展途上国の台頭とそれに伴う技術流出など日本内外の状況は大きく変化をしてきている。これらを問題とするか、機会とするかは人それぞれだと思うけど、日本自体が大きな変化が必要なのは間違いない。そして何より、状況が良かろうが悪かろうが、もっと日本を面白くできるよ!と直感的に思う。
M&Aは日本が今起こっている変化に対応するため(つまり、継続的な成長をするため)、そして日本をもっと面白くするために必要な行為であり、それをサポートしたい!というのが今回のポジションを希望する理由になる。
まずは前者の方から。世界のほとんどは(いろいろな問題があるにしても)資本主義というルールをベースにして動いている。そのルールの上では、限りあるリソースを以下に効率よく使って価値を創造しようとすることが、変化に対応するためのひとつのポイントになる。しかしながら、日本の多くの企業が効率の良い経営をしているとは言いがたく、4月27日のFTでも日本企業はもっと海外に出て、持っている資産を有効に使うべきだーと指摘されていた。(あまり当てにならないけど)企業の資産運用の効率性を示すROAも米国と比べるとずーっと低水準。
M&Aはリソースの効率性を高めるという意味で重要な手法だと言える。例えば、(多くのファイナンスの論文が検証しているように)同業同士がM&Aで一緒になり、生産や研究の拠点を統合したり、販売力やブランド力を強化したりすることで、世の中により多くの価値を提供することができる。または、異なる業種がM&Aで一緒になることで、技術やナレッジの新たな活用につながり、価値創造へつながるかもしれない。
さらには、M&Aそのものが効率的な取り組みである。実体経済におけるリソースは、証券市場で取引されている株式や債券とは異なり、非常に流動性が低い。それは扱っているものが証券というモノではなく、知識や労働力というヒトから生み出されるものだからだと思う。例え、企業が競争力を失ったので解散してバラバラになり、そのリソースを再配分しようとしたところで、ヒト個人の性質や価値は見えづらく、最適な機会とのマッチングは非常に難しい。もし、ミスマッチが起これば、ヒトが何か新しいことを学ぶには時間がかかってしまうため、価値を提供するまでに時間がかかる。また、組織から所属しないと言う状態がそのヒトを不安にさせ、モチベーションを低下させてしまうかもしれない。それよりも企業単位で、もしくは事業単位で考えれば、その組織の提供できる性質やその価値が(ヒト個人に比べると多少は)明確なため、比較的効率よくリソースの再配分が行える。
このように内外の変化に合わせたリソースの再配分が進めば、企業がより多くの価値を提供し、より多くの利益を上げられるようになるだろう。そして、日本は労働の対価として、国の税収として、そして投資のリターン(現在の株式市場にいる投資家の60%以上は外国人だけど)として、利益の一部を手に入れることができ、それらが日本の継続的な成長につながるはず。
次に後者の「日本をもっと面白くする」について。前回と似たような話になるけど、戦後、日本は欧米をお手本に、安くて豊富な労働力と細かい改善の積み重ねによって世界第2位の経済大国までのし上がった。しかし、バルブを境に日本経済は低迷し、「失われた10年」と言われていたのが、いつのまにか「失われた20年」になってしまった。一人当たりのGDP(OECD調査)は80年代、90年代は5位以内が当たり前だったが、2000年を境に下落が始まり、2007年には19位まで下がった。それに影響されるかのように、自殺率(警察庁調査)も85年前後に少し上昇したものの、その後下落し、91年に底を打って、98年から急激に増加している。
「面白さ」は人それぞれだと思うので一概に定義することは難しい。しかし、人生の大部分を占める仕事で言えば、経済的な価値を提供することが目的であり、やれどやれど価値(≒報酬)がともなわない、またはともなう可能性が低い状況は決して面白くないと思う。例えれば、ある村にハンバーガーと言うものがなかった頃に、お店Aは米国のハンバーガーを真似て1000円で提供していた。お店Bも同じ頃に参入し、同じ質のハンバーガーを同じ価格で提供、お店AとBでそれぞれ半分ずつのシェアを取り、ビジネスは順調に成長していた。そこにマクドナルドがやってきて同じ質のハンバーガーを600円で提供し始めた。お店ABの熱烈なファンは多少いるかもしれないけど、ほとんどの人はマクドナルドに行ってしまい、お店ABは働けど働けど一向に儲からない(というか損をする)というような状態。お店ABの人たちはそのまま同じことをやってても絶対面白くないと思う。
そんなの当たり前だよー。ばかばかしい。でも、こんな状況が日本の色々なところに起こっているんじゃないかと思う。上の例を使うと、お店Aは「これまで順調に儲かっていたんだから、またきっとお客さんはもどってくるはず」とかお店Bは「お店Aがそのままの方針で行くなら自分たちもこのままがんばろう」なんてことになっているのでは。例え、お店ABが値段を600円に下げようとしたところで、世界中にチェーンを持つマクドナルドとは生産体制は大きく異なり、コストをまかなうことができない。
それではどうすればいいのか。マクドナルドとは違うハンバーガーを作る必要があるかもしれない。提供範囲を拡大する必要があるかもしれない。広告には芸能人を使う必要があるかもしれない。ハンバーガー事業を止めて別の事業にすべきなのかもしれない。要は何が答えなんだかもうわからない。なので、答えを自ら探し出そう、いや、答えを創り出そうとするチャレンジこそが重要になってくる。それが経済的な価値生み出す可能性を高める方法であり、結果的に面白さにつながっていくんだと思う。しかし、そうなった途端、どうしたらいいかわからなくなる。そりゃそうだ、そんな教育は受けていない。学校ではいつも必要な情報は与えられて、すでに決められた答えがある問題ばかり。それらから学んだ知識は、明確な答えのない状態で何をすべきかは教えてはくれない。
自分はM&Aが、明確な答えがない状況下で独自の答えを創り出す、またはそのプロセスをトレーニングする効果的な機会を提供してくれると考えている(M&Aが唯一の方法ではないです)。独自の答え創り出すためには、
・これまでとは違う情報や機会に目を向ける
・これまでの前提(過去の成功体験、既得権益など)を捨てて何が本当に必要かを分析し、解決策を考える
・勇気と信念を持ってリスクに立ち向かい、実行する
が必要になる。言うのは簡単、実行するのは難しい。
前職でM&Aに携わったとき、中小企業同士の、しかも同業にもかかわらず、サービスやシステムの作り方から、企業の文化、スタッフ個人の働くことに対する考え方まで様々な「違い」を目にすることになった。そして、それらをうまくひとつの企業としてまとめるには、従来のやり方を押し付けるのではなく、(できる限りかかわる人が満足するように)何が大切なポイントかを細かく分析し、ゼロベースで創る勢いでしなければいけなかった。そこには明確な答えなどは存在せず、自分で最適と思うものを決めなければいけない。そして、最後は普段だったら躊躇してしまうところを、M&Aでは遅れることが目に見えてコストだとわかるので、否が応でもリスクを取って実行しなければいけない状況に追い込まれた。
確かに自分が経験したM&Aは面白いことだけでなかったし、うまく行かなくてストレスが溜まることも多かった。しかし、自分のやろうとしていることが必要で価値のあることだと信じていたし、最終的には約20%のコスト削減という見える形の結果を得ることができた。多くの人がM&Aに関わることで、明確な答えのない問題への取り組み方を学び、「その方法が価値を提供できる可能性が高いんじゃないか」と思う人が増えれば、個人の面白さにつながり、そして日本全体の面白さにつながると思う。
・・・長い。絶対インタビューじゃ言えないな。
0 件のコメント:
コメントを投稿