2010年8月10日火曜日

実は変化が得意なのでは?

こっちに来る前、日本人は考え方を変えたりすることが苦手な人種なのかなーと思っていたけど、最近は欧州人のほうが変化することが苦手なのでは?と思ったりすることもしばしば。個人的な見解なので、何か調査結果があるわけではないけど。

こっちでは建物が100年以上残っていることが普通だし、日本みたいに建て替えようなんて発想は起きず、いかに古い建物をそのままの形で残していくかを大切にしている(たぶん)。もちろん、地震などの地域特有の問題も関係しているだろうけど。他にも形のないもの、例えばクラシックコンサート、乗馬、キツネ狩り(?)など昔からある芸術やスポーツが、昔ながらの形で引き継がれているものも多い。

こういったこともあり、気になるのがロンドンのちょっと郊外で多く見られる小さなレストランやカフェ、商店など様々な小さなビジネス。東京だとチェーンレストランや大型量販店にあっというまに駆逐されてしまいそうだけど、長々とビジネスを続けている。というか、こっちにはデニーズやビックカメラのようなものはない。これは昔ながらにこだわるロイヤルカスタマーがたくさんいる証拠に他ならない。

仕事においても「何か世の中を変えてやるぜー」という野心的な働き方よりかは「いかに効率良くお金を稼いで、ワークライフバランスを保つか」ということのほうが重要。なんか自分には変わらないことを望んでいる安定志向な人のほうが多く映る。

一方で日本。直近では公務員志望や社会保障充実を望む人が増えて安定志向になっていると聞いている。けれど、ちょっと前にさかのぼれば、明治維新や第二次世界大戦の敗北など劇的な変化を体験して、こっちのような伝統な建物や遊びなんてほとんど残ってやしないし、それを残そうとする意識もあまり高くない。

それぞれの変化の後では、まわりを気にして自分だけは外れまいとする人が多いけど、一度新しいトレンドができてしまえば、これまで安定と考えていたものをあっさり捨てる(つまり変化する)ことになんのためらいもない。つまり、日本人の安定は「変化を嫌う」ということではなくて「まわりから外れることを嫌う」という意味の方が近い。これは欧州人とは違う傾向だと思う。

ということで、日本の現状は決して楽観しできるものではないけど、一度トレンドが変わってしまえば、一気にみんな変わってしまうのでは。願わくばいい方向に。「あんなに安定志向だった人がこんなになるなんて!」みたいなことも多く見られるようになったり笑。

気になるのは明治維新も第二次世界大戦の敗北もギリギリの状態。今回はそこまで行く前にトレンドができて欲しいけれど・・・。

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