2010年8月9日月曜日

増税してでも福祉の充実を!?

「増税してでも福祉を充実してほしい」と考える人が40%弱(2年前比7.1%増)という博報堂の調査結果。一方で「今の税金は高すぎる(福祉は減らすべき)」と考える人が同程度(2年前比15.7%減)。対象は「首都圏と関西圏の20歳~69歳の男女」と書かれているので、どのような分布になっているかがちょっと気になるけど。高齢者の割合が多ければ、結果にバイアスがかかることが十分ありうるので。とはいえ、この結果、どー思います?

個人的には今は福祉を充実して欲しいとは全く思わない。

こういう話になると、よく話題に挙がるのがスウェーデン。税金を極限まで上げて、社会福祉をとことん充実させ、同時にワークシェアリングを進めることで失業率を抑え、現在や将来の不安を解消し、消費につなげていこうというモデル。つまり、市場主義よりも社会主義に近いモデル。ちなみに国民負担率(租税+社会保障)は日本が39%に対し、スウェーデンは64.8%。法人税は日本より低いけどね。

このモデルが日本に適しているかわからないけど、現在における経済成長という側面では自分にはネガティブに映る。国自身が成長させる正しい方法を知っていれば、社会保障と経済の成長を両立させることは可能だと思う。ただ、昨今の状況においては、どの国も(特に日本は)その術を知らないように思える。となると、このモデルは「安定」には向いているかもしれないけれど「経済成長」という面では弱いと思う。実際にスウェーデンの場合、公務員の数は全国民の1/3、代表的な民間企業といえばH&MやIKEA、VOLVO、SAABという程度。日本がこのような状況になった場合、経済成長を期待するのは非常に難しい。

そして、忘れてはならないのが日本の現状。莫大な国の負債と縮みゆく国内市場を考えると、もし、現在の生活水準を維持したいのであれば、必要なのは経済を成長させること。そして、その成長は前述したように社会保障の充実とはトレードオフの関係にある。さらには、日本ような財政が不安定な状況で、社会保障のさらなる充実のために税金を引き上げることは、さらなる消費の低迷につながり、とても安心や安定という状況とは程遠くなってしまうと思う。逃げ切れる高齢者の人たちにとっては安心や安定になるかもしれないけど、最後の尻拭いをしなければいけない若い世代の人たちにとっては・・・真逆。

とは言え、国もひとつの組織に過ぎないので、組織に属する人たちの意見が反映されてしかるべき。今回の調査結果だと、ちょうど社会保障に対する意識が半々ぐらいに分かれるので、いっそのこと日本を半分に分けてみてはどうだろうか。西半分は市場経済優先、東半分は社会保障優先。そうすればより多くの国民が満足するんじゃない?意見が大きく割れるのであれば、わざわざ無理して同じ組織にいる理由なんてどこにもないわけだし。

みなさんはどちらを選びますか?

2 件のコメント:

  1. 俺の偏った考えでは、、、

    どんな政策を採ったとしても、日本では選挙対策のために
    若者から搾取 → 老人だけ優遇 にしかならない。
    だから全ての新しい政策は取れば取るほど若い世代の負担だけが増えて、結局最後には財源不足で新たな搾取政策をせざるを得なくなる。

    日本を変えるためには3つの政策が必要
    ・現在年金を貰っている世代に対し、今後新たに発生する社会保障は適用しない
    ・参議院をなくすことで、選挙のための政策を徹底的に排除する
    ・老人のわがままを全部無視。バイトより自給が良い生活保護のほぼ全面廃止(本当に働けない体と精神の理由のある人のみ支給)などといった、一般の人の税金の払い損状態をなくすこと

    上は北欧のような高負担、高福祉は全員が平等に対価を払ってきた社会でしか成り立たず、今からやろうというにはさらに若者の負担を増やすだけで、やる意味が無い
    若手向き対策の子供手当ても、全額支給でも他の手当が廃止されることで、全員が以前より赤字になることが判明した。
    何もしないことが一番。

    3つ目は大阪にいるとよくわかるが(人口の6割が生活保護申請者)
    働く気が全く無いのよね。見ててわかるけど。
    子供二人、嫁一人、介護対象が1人、アパート借りて住んでます。という状態の35歳の生活保護受給額は、なんと俺の手取りより高い。

    社会保障なんてのは、本当に必要なごく一部の人間にしか支給しなくて良い。
    年金の制度もなくしてしまうのが一番良いんだけどね。
    払ったものが帰ってこないのはとても許されないし、
    (60以上は支払った金額に対するリターンが+4000万に対し、20歳では-8000万)
    現在の超過払い状況ですら日本の老人達は不満大噴出なわけで、さらに若者から搾取しようとしていることに対し、日本人はどう考えているんだろうか?

    もっとも危険な情報がいつも隠蔽されているが、
    上の計算は国民全員が年金を払った、という過程であって、ついに未払いが6割となる現状では年金の完全赤字化という破綻はあと15年というところか

    政治屋もマスコミも財源が足りないから増税のようなことを言っているが、なんかの洗脳だろうか?

    増税をしたと仮定して、
    例えば消費税増税で得たお金はいつ使う?
    若者からこれから永遠に取られることになる税金は、まず現在の超過世代のために使われる。
    現在ですら得をしている世代がさらに得をする格好だ。


    増税した分は超過世代には一切使わず、10年間ためて、そこから使いますといったら大きな批判にさらされるだろうけど、やっと若者よりな政策になりえる。

    なんか話がずれた。すまん。

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  2. >三十路丸
    本文より長いコメントをありがとう笑

    確かに本文には書いていない「世代間の平等」というのは1つ大きな政府にとっては非常に重要な条件だよね。特に高齢化社会No.1の日本には。このまま状況が続くと若者はどんどん搾取されてしまうからね。あとは、最近になって騒がれている一票の格差、つまり地域の平等もその1つかな。

    でも、個人的に思うのが、地域格差、世代格差、男女格差という感じで、マジョリティとマイノリティの格差を考えていくと、やっぱり多数決の原理を基にした民主主義で解決をしようとすると限界があるなーと思う。

    結局、国も組織という概念の一部になるのだから、グループがコミットができる部分によって、ある程度細分化していく必要があると思うんだよね。そして、人がどの国(組織)に入りたいかを選ぶ。西半分と東半分みたいな感じで。もちろん自分がコミットしたことについては文句なし。それが地方分権なのかもしれないけど、どこまで国という親組織から独立ができるかと、運営する側が有能さがかなり重要になってくると思う。

    ところで、長妻厚生労働大臣は年金について追求をしているのかなとふと思った。与党になってすっかりおとなしくなった気がする・・・。

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