昨日のオランダ戦、日本負けちゃいましたね。ディフェンスは良かったけど、やはり攻撃がいまいちだった。ディフェンスに意識が行き過ぎて切り替えがすごい遅いように見えた。ミスコミュニケーションも多かったし。とは、次のデンマークとの試合は引き分け以上で決勝トーナメント進出。相手のカウンターに注意して何とかがんばってもらいたい。
さて、ちょっと開いてしまいましたが、こないだからの続きのM&Aネタ。今の日本の現状を整理してみたい。まずはM&Aの件数をレコフから。
近年はIN-IN(日本企業同士のM&A)が1500~2000件あたりで推移しているの対して、IN-OUT(日本企業による外国企業へのM&A)は500件弱と、IN-INの1/3~1/4となりかなり少ない。次は金額ベースで。これは以前も引用したグラフ。
まず目に付くのは年によってのばらつき。2006年と2008年において、IN-OUTの件数がIN-INの1/4にもかかわらず、金額ベース(2008年)ではIN-INが4兆4359億円に対し、IN-OUTが7兆4621億円と1.7倍になっている。一件あたりの平均買収金額はIN-INが24億円に対し、IN-OUTは198億円となり、このことから2008年はIN-OUTの方が大型案件が多いことが予測できる。実際に2008年の主な大型案件を調べてみると下記になり、これだけで3.4兆円(IN-OUT全体の46%)。
・武田薬品工業→ミレニアム・ファーマシューティカルズ(米:88億ドル)
・第一三共→ランバクシー・ラボラトリーズ(印:4800億円)
・東京海上日動火災保険→フィラデルフィア・コンソリデイティッド(米:4987億円)
・TDK→エプコス(独:19億ドル)
・三菱レイヨン→ルーサント・インターナショナル(英:16億ドル)
・MUFG→モルガンスタンレー(米:9480億円)
・リコー→アイコンオフィスソリューションズ(米:16億ドル)
一方で、2004年、2005年、2007年は約2兆円規模で推移。一件あたりの平均買収金額はIN-INが約50億円で、この数字はその年のIN-INの平均金額(56億円、43億円、35億円)とさほど変わりはない。また、下記の1000億円以上の大型案件の件数のグラフ(みずほFGより)から、多くても年に10件や20件というレベルということがわかる。この大型案件の件数と一般的な企業規模の分布から、IN-INやIN-OUTに関わらず、多くの案件が50億円あたりの小型案件であることが予想できる。
最後にM&Aアドバイザリーのランキングを見てみたい。下記の表は2009年の公表金額ベースでのランキングで、ロイターの情報を基に作成。
まず、金額では野村証券とみずほFGの日系金融機関が1位、2位を占めて、その後外資系金融機関が入ってきている。件数ベースでは、この表ではわかりづらい(というかわからない)けど、日系金融機関が上位を独占している。次に、金額を件数で割った平均金額では、外資系金融機関が700億円~1600億円であるのに対し、日系金融機関は300億円前後と、ターゲットとしている案件のサイズに大きな差がわかる。
この傾向は日系と外資系の力の差を表しているとも見ることができる。M&Aアドバイザリーは労働集約的なビジネスモデルであることと、報酬体系が買収金額の数%という形が一般的であることから、より効率良く収益を上げるにはより多くの大型案件を取ることが重要となる。実績や知名度で上回る外資系金融機関が大型の美味しい案件を取り、それが取れない日系金融機関、さらには大手監査法人が中型案件を狙うという構図になっている。
最も件数が多いであろう(そして収益性が低いであろう)50億円前後の小型案件はどこに行ったのか?それらの多くは中小の会計事務所が地方銀行、または日本M&Aセンターのような独立系がアドバイスをしていると言われている。このように案件のサイズによってM&Aアドバイザーとなる組織も変わってくることがわかる。
というのが日本のM&Aの現状。
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