日本に帰国してあっというまに3週間。本当にあっというま。家族と話をしたり、友人に会ったり、就活をしたり、知人の会社を手伝ったり。帰国直後はロンドンとは違う30℃以上の気温に加え、高い湿度がきつくて、体調があまり良くなかった。それも夏が終わったこともあり、今はすっかり日本に馴染んでしまった。
振り返りをしようしようと思っていたけど、なかなか筆が(タイピングが?)進まなかったので書けなかった。とは言え、あまり時間を開けてしまうと忘れてしまうので、このあたりで書いておこう。
海外に対する距離感
留学前は海外経験は全く無かったので、海外に対する距離感みたいなものが全く無かったし、なんとなーく恐怖感があった。例えば、自分でビジネスをやろうと考えたときに、海外で事業をするということがどれだけ難しいことなのか想像もつかないので、とりあえず選択肢から消してしまおうという感じ。でも、(ビジネスではないけれど)今回の留学を通して、少し海外に対する距離感みたいなものが具体的になった気がする。もっと言えば、海外もそれほど日本と変わらないなーという感覚。もちろん細かい考え方の違いはたくさんあるけど、基本的には似たようなことを考えて、似たようなことを悩んでたりする。行く前はすんごいカルチャーショックみたいのがあるのかと期待していたんだけど、そこまででもなかった笑。あったとしても「へぇー、そうなんだ」「それはウケルなー」という程度。これも物流インフラやインターネットのすごさなのかなと思ったりする。ある意味期待はずれで残念な面もあったけど、自分の中でこの距離感が持てたことはきっと将来に役立つと思う。
ファイナンス
一年間ファイナンスを学んできて、ファイナンスを一言で表すならば「価値算出のフレームワークの1つ」かな。企業の価値やプロジェクトの価値、金融商品の価値、そして恋愛の価値まで。キャッシュフローという経済的側面から考えられるのであれば、ファイナンスはありとあらゆるものに適用できると思う(割引くのはなかなか難しいけど)。そしてこの価値の考え方は僕らが生きている資本主義にはとても重要で、価格が価値を反映していればうまく行くし、乖離が起こったら今回の金融危機のようになってしまう可能性が高まる。そんな感じでファイナンスの考え方って結構身近なものだったりする。これをあえてロンドンで学ぶ必要があったかどうかについては(日本の授業を知らないので)正直わからないけど、世界屈指の金融都市であるロンドンから来たゲストスピーカーや実務に携わっていた同級生などと話ができるのは大きなメリットだと思う。FTが安く手に入るのもメリットかな笑。まだ次の就職先が直接ファイナンスに関連するかはわからないけど、これまで学んだことは何をしたって必要になると思う。
英語とコミュニケーション
英語はもちろん留学前に比べたらレベルアップはしている。けれど、最後までネイティブスピーカーの言っていることは全て聞き取れなかったし、あのスピードで話を続けようとしてもなかなか難しい。とは言え、それほど会話そのものに困ってしまうレベルでもないかな。電話はなかなか厳しいけど。そして、留学して思ったのが、言語とコミュニケーションは違うということ。自分も最初そうだったけど、言語はそこまで問題があるわけではないのに、コミュニケーションが取れない、つまりしゃべれない。逆に欧州中東人は言語に問題があろうがなかろうが、ガンガンしゃべってくる。時には他人がしゃべっているのを割り込んでまで。このコミュニケーションの仕方をそのままマネる必要はないと思うけど、相手のことを理解した上で、自分たちのやり方を調整はする必要があると思う。でないと、せっかく良いアイデアを持っていても、相手に理解してもらわなければ問題は解決しないし、評価もされない(信頼を得れない)。最後の方は多少慣れてきたけど、これらを習得するにはもう少し時間がかかるかな。
日本と日本人
留学するまで「日本はやばいなー」と感じながらも、そこまで自分のことという実感はなかったし、自分が日本人であるということを自覚していなかった。向こうに行って「Where are you from?」「I'm from Japan.」というやり取りを何回繰り返しただろうか。日本について色々聞かれ、もっと勉強しとけば良かったなーと悔やみながらも、無い知識を一生懸命搾り出して答えたりしてた。逆にアジア人も欧州人も中東人も自分の国のことについて詳しいし、(内容にも依るが)嬉々として話をするやつが多い。そんなやりとりをしていると、やっぱり自分は日本人だし、日本について知らなきゃいけないし、日本が良くあってほしいと強く思うようになった。正直、現状は様々な問題を抱えていて、どのように解決したらいいかわからないけれど、何らかの形で貢献したいと思う。というのも、日本人は優秀な人が多いと思うし、うまいやり方とモチベーションさえ持てれば、この先の見えない状況を打破できるはず。そして、その技術力や組織力はまだまだ世界に価値を提供できると思うんだけどなー。
英国
なぜ米国でなく英国を選んだか。そんなことをよく聞かれるし、同じ留学生にもよく質問していた。まず、コースが1年なのが大きい。さらに自分の場合、早くから先進国の位置にいて、そのポジションを保ち続けてる英国から何か学べることがあるんじゃないかなと思っていた。何が学べるだろう?挙げるとすれば、国に対する思いと意識。彼らの場合、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドというくくりが多いけど。スーツに終戦記念日にポピーを付けたり、国旗をベランダに掲げたり、それらを車に付けたり。今回の財政問題も国民がなんとかしないと思ってる人が多いから、緊縮財政には多くが賛成だし、状況を変えるために党首もどんどん若返ってるし。このあたりのことってなかなか日本はできない気がする。一人ひとりが国を運営しているっていう意識が英国人に比べて低いんだろうなと思う。あとは公園の管理、美術館・博物館の無料化は見習うべし笑。逆に悪いところを挙げると、飯のまずさ、時間のルーズさ、電化製品のレベルの低さなど結構キリがないけどね・・・。
という感じで気づいたところを。もし「過去に戻れるとしたらまた留学するか?」と聞かれたら「する!」と答えると思う。うまく上で表現できていないかもしれないけど、それぐらい自分の中では充実していた1年間だった。
よくファイナンスの理論を使って「留学のNPVはマイナスだー」なんていうけど、どうだろうか?30年前のある程度先の見えている状況であれば、機会損失コストが大きいわりに、リターンがあまり変わらないから、NPVはマイナスになってしまうかもだけど、これから世の中どうなるかわからないわけだから、考え方次第ではプラスになるのでは。
最後に、この1年間を応援してくれた家族や友人に感謝します。本当にありがとうございました!
2010年10月1日金曜日
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