2009年10月31日土曜日

日本人での食事会

ロンドンに来て初めて企画しました。軽いノリでImperialの学生5人ぐらい行こうかと思っていたら、増えて増えて結局10人。Kings CollegeやQueen Maryの学生も参加してくれた。専攻もバラバラでなかなかいろいろな話が聞けて楽しかった。

行ったのはSOHO(たぶん)にあるスペイン料理で雰囲気がとてもよく、料理もおいしかった。価格も・・・ロンドンに来て一番。明日の昼飯はシリアルにすること決定。7時に店に入ったが、恐ろしいほどガラガラ。この店の経営は大丈夫かと心配していたら9時から10時にかけて満席。一説によるとスペインの人の夕食は遅く、10時ごろに取るとか。店ではフラメンコをやってくれて初めて見た。あの足の動きはすごい!なんかすごいスペインに行きたくなってきたー。


カメラの性能が悪い・・・中央で踊っているんだけど。

2009年10月26日月曜日

サマータイムの終了

貴重な(?)経験をした。25日の午前1時をもってサマータイムが終了。1時間前倒しになった。というわけで、今日は時間がちゃんと合っているか恐る恐る大学に行った。結局何もなく終わる。前倒しになったことで朝は明るくなったけど、夜は5時ぐらいに日の入りになってしまう。

そして第4週目が開始。そろそろ1年間という短期コースが本領を発揮してきた。3時間のレクチャーで進めるスピードはページ数にして100ページ以上。今日のSAFEは学部(中国とトルコ)が6週間かけてやるところをわずか3時間で終わらしてしまった。正直、統計のバックグランドがない学生にはしんどい・・・いや、無理だろー汗。

そしてレクチャーのたびに課題が増える。今日も遅くなりそう。

2009年10月24日土曜日

自分の土俵

3週目もあっというまに終わりました。でも今週はタフだったー。原因は月曜日の入り方。しっかりと予習をしていかないとレクチャーも理解できないし、結局課題をこなすために相当時間を使うことになってしまう。来週はこの失敗を繰り返さないようにしないと。

ボストンについては大手外資系金融機関に数社アプライしてみた。事前にテストがあるところはそれぞれ連絡が来たが、まだ全てはこなせていない。多くの企業が第2志望(企業によっては第3志望)まで聞いてきたが、あえて第1志望の投資銀行業務のみにフォーカス。志望動機もM&Aに特化したものを書いた。これが吉と出るか凶と出るかはわからない。

ちなみにロイターの世界のM&A市場のレポートを見ると、金額ベースでは今年の第一四半期、第二四半期は前年の50%以下。こんな状況で新たに投資銀行業務を採用するかは正直謎。もしかしたら形だけかも。現に大手投資銀行Mは投資銀行業務でアプライしたにも関わらず「あなたのアプリケーションは現在債券業務部で審査されてます」って連絡がきた。

こんな厳しい状況だからいろいろ考えてしまう。大手投資銀行が最適な選択なのか。そして、その先に自分の戦うべき土俵と身につけたいものがあるのか。

「ここを卒業したらどうするの?」と多くのファイナンスの学生と話をしたが、答えは予想以上に画一化されている。ほとんどの学生が大手外資系投資銀行のTradingかAsset Management、Investment Banking。もちろん授業料として投資した金額を考えると、もっとも妥当な回収方法だと思う。特に発展途上国から来ている学生はグローバルな金融機関に入らなければ、投資した分を回収することは非常に難しい。

そして、この3週間でわかったこと。ビジネススクールのプログラムには問題があるものの、学生のレベルは非常に高い。そもそも学部時代に上位の成績を取った学生が集められているので当然といえば当然だけど。正直、頭の回転の速さや勉強ができることに関しては一歩も二歩も上を行かれている。そんな彼らと、視点こそ違えど、似たような土俵を選んでガチンコで戦うことは果たして自分に大きな意味があるのか。皆が似たような方向を向いているからこそ、違う土俵を選ぶことでより効果的に戦うことができるのでは。いずれにしても負けるつもりはないけど。

それからもう一つ。M&Aアドバイザリー業務をしていたスイス人に話を聞くと、投資銀行業務の肝は企業価値算出のテクニックよりも、グローバルに持っている情報ネットワークであったり、世界中から集められた優秀な人材だったりするのかも。彼が言っていた企業価値算出は、NPVをベースに、割引率にWACCを使って、成長率を考慮してExcelで計算という極めてシンプルなものだった。これらは収支が安定している大企業には有用だと思うけど、不安定な中小企業にも当てはまるかというとかなり疑問。現に、彼は「Private Equity Firmから非公開企業の価値算出を依頼されたときはうまくいかなかったよ。」と言っていた。

将来、自分の戦う土俵に中小企業が含まれていることは間違いない。なぜなら、自分は大きなお金を動かすことよりも、人や組織の変化、そしてそのアウトプットに興味があるから。これらは強固な枠のある大企業よりも、不安定な中小企業のほうが起こしやすい。そして、自分の持っている性質との相性もそれほど悪いわけではなさそう。じゃあ、これらと大手投資銀行の投資銀行業務との整合性はどうなのか。

あらかじめ付け加えたいのは「戦う」という言葉が必ずしも適切でなく、働くことは決して勝ち負けではないということ。ただ、「これだけは誰にも負けないというもの」を身につけることが大切だと強く思っている。生まれた頃から家族→幼稚園→・・・→大学→企業となんらかの安定した組織に属することで、組織のものをあたかも自分のものの一部と勘違いをしていたのかもしれない。退職し、ピンになって何もできない自分を知ったとき、誰にも負けないものとそれを発揮できる場所を意識するようになった。

また、リアルな話として、自分が今回投資した授業料をしっかりと回収することは必須。追い求めたい理想だけではなく、今後の生活を含めて、しっかりと現実を見つめながら選択しなければならない。理想を言うのは簡単、結果を残さなければ全く意味がない。

そんなことを考えている今日この頃。
あー、全くまとまらない文章になってしまった・・・。

2009年10月22日木曜日

怒涛の月火水

が終わって少し一段落。日曜から2時半に寝て6時半に起きるサイクルで生活していた。それでも月曜の予習を甘く見ていて、IPMのレクチャーがほとんど理解できず。今週の残す課題はSAFE、Corporate Finance、そしてMath in Finance。早め早めに動かないと。

同時進行で就活も。ボストンにアプリケーション出したら大半の企業からテストを受けてくださいとのメールが来た。算数や論理思考を試す問題だと思うけど、時間制限があるので慣れるのが大切。でも、はっきり言って対策している時間がないです。

対策できないことのいい訳じゃないけど、こういうの意味あるのかなと。たぶん訓練すれば誰でもできるし、これで応募者の能力を測るのは難しいと思う。もちろんその訓練がどれだけ企業に行きたいかを表すといわれてしまえばそれまでだけど。

ちなみにこういうのは日本だけでなく、欧米でも当たり前みたいです。こっちではインタビューの前にアセスメントセンターなるものに行って、こういうパソコンを使ったテストだけでなく、グループワークやプレゼンテーションまでやるらしい。

大企業の場合、すごい数の応募者だからどうしてもこういう形を取らざるを得ないんだろうな。とりあえず足切られないようになんとかしたいな。

2009年10月18日日曜日

外に出ない週末

たぶん30分ぐらいしか外に出ていない。これじゃ体に悪いよ。でも先週も同じような感じだったかな泣

課題が急激に増え、しかもMath in Financeではレクチャーに出てきてない範囲まで。はっきり言ってひどい。しかたがないので図書館で本を借りた。

さらに、Investments and Portfolio Management では明日までにテキストとケースを読んで来いというお達しが。単語もわからなけりゃ、時間もない。

マジで時間管理しないとまずいなー。

2009年10月15日木曜日

今学期の授業

なかなかの課題が多くて更新できず。とりあえず今期(Autumn term)について。全て必修で以下の4科目。

・Corporate Finance
定番です。とりあえずNPV(Net Present Value)から入る。ここから割引率の決定、資本構成、配当政策などに行くのだと思う。もっとも親しみのある科目。

・Investments and Portfolio Management
投資に関する理論から数学的な側面まで幅広く扱うみたい。広いだけあって進めるスピードが恐ろしく早い。いきなり現代ポートフォリオ理論を3時間で終わらせてしまった。全く知らない人はついていけるのだろうか。

・Mathematical Techniques in Finance
正直一番ヤバイ。確率から統計にかけてをふかーくやる感じ。どれくらい深いかって。確率変数のσ-algebraとかって知ってます?

・Statistics and Financial Econometrics (SAFE)
こっちも危険な香りが。同じ統計でもEconometricsに絞って、単回帰分析から入る。そのあとは変数が複数になったり、分析の際に置いている前提を変えたりするのだと思う。

というわけで、今期は数学がメイン。週の流れとしては月火はレクチャー。水木金は課題とクラス。クラスはドクターの学生が課題の答え合わせや、レクチャーの内容をサポートをしてくれるらしい。グループワークもあったりする。基本的にレクチャー後に課題が出され、クラスまでに提出なので、火水あたりが忙しさのピークかな。とりあえず今週は大丈夫だけど、今後は予習と復習が必要になりそうです。

話は変わって、最近気になること。グループに分かれて作業するとき、面白いほどアジア系とヨーロッパ系でグループが分かれる。やっぱりお互いなんかあるんだろうな。特に中国人は固まり易いからヨーロッパ系には取っ付きづらいと思う。自分の場合、付き合うならアジア系が確かに楽だけど、深入りしないで幅広く友人を作ろうと努力中。今良く話すのはスイス人とトルコ人。イギリス人にもアタックしてるけど英語が早すぎてコミュニケーションが・・・苦笑。がんばるしかなーい。

2009年10月12日月曜日

今日から本格的な授業

Induction weekも終わり、今日から始まりました。

記念すべき最初の科目は「Maths Review」のはずだったけど、時間どおりに多くの学生が集まったにも関わらず突然のキャンセル。ということで結局「Statistics and Financial Econometrics」が最初の科目。今日は単回帰分析だけだったのでついていけたけど、来週からはどうだろう。明日は9am - 9pmというハードな日。

週末は就活のアプリケーションの作成にほとんど費やす。ボストンは去年まで参加企業は200社弱だったけど、今年は100社弱。いかに就職マーケットが厳しいかを物語っています。アプリケーション出してアポが取れればボストンに行こうと思う。

2009年10月9日金曜日

投資銀行キャリアフォーラム

というのが、今日あった。集まったのはGoldman Sachs、Morgan Stanley、Deutsche Bank、BOA Merrill Lynch、Nomura、Citiの6社。プレゼンをしてくれたゲストの部署はEquity、Fixed Income、Risk Management、Technologyで残念ながらCorporate Financeは来ていなかった。

これまでCorporate Financeしか考えていなかったけど、今日の話を聞いてStructuringという部署が気になった。簡単に言えばお客様のニーズに合わせた金融商品を開発するところ。営業部や調査部と連携してお客様のニーズを汲み取り、クオンツと呼ばれる数学好きな天才たちと商品を開発。実際にお客様のもとへ商品の説明に行ったりする。代表的なのは金利や為替のリスクをヘッジする派生商品とか。

Corporate FinanceのDisadvantagesとしては
・超人気部署
・対象とするクライアントが国や大企業
・コンサルタントのようなジェネラリスト的な職業
が考えられる。もちろん大企業ならではの経験で、間違いなく有用だと思うが、数年後の起業を考えた場合に果たしてこれらの能力はどこまで必要なのか。おそらく起業のビジネスモデルは中小企業を対象にしたものだろうし、誰かの言葉を借りると「必殺技」が作りづらいのではと。

一方で、Structuringは
[Advantages]
・Corporate Financeに比べると人気はないはず
・MSc Financeで学んだことがダイレクトに活かせる
・金融商品を実際に作る技術を習得できる→今後の必殺技につながるかも
[Disadvantages]
・金融のものづくりなので、他の能力が養うことができない(Valuationとか)
・起業時の非常に限られた資本の中でどこまで商品開発の自由度があるかは謎
という感じ。

そういえば、今日も話したスイス人は元Credit SwisseのCorporate Finance(M&A Advisory)で働いていた。この部署はご存知のとおり自分の希望部署。彼はあまりのハードワークで4大監査法人のAdvisory業務に転職を考えている。社内の雰囲気もピリピリしていたとか。そしてこれから習うファイナンスの知識はほとんど使わなかったとか。やはり想像しているものとはちょっと違うみたい。もっと仲良くなっていろいろ話を聞きたい。

2009年10月8日木曜日

Alumniのプレゼン

台風は大丈夫だったでしょうか?

Alumniは卒業生とか同窓生という意味。そういう人たちのプレゼンが昨日あった。内容はMSc Financeについてと就活について。内容をまとめるとこんな感じ。

・第一ターム(Autumn term)の成績がMSc Finance全体の成績を決める
 → 第一タームは4つの必修科目があり、これをしっかり理解できないと、次のタームからの科目が理解できない

・エンジニア出身の学生はSAFE(Statistics and Financial Econometrics)が最難関
 → 多くのエンジニア系の学部では統計をやっていないので、理解するまで時間がかかる

・過去問を解くのが重要
 → どうやって手に入れるかはわからなかった

・投資銀行への就職においてインターンは必須と考えた方がいい
 → 多くの学生はインターンから正社員になっていて、直接正社員になっている学生は少ない

・去年の卒業生、一昨年の卒業生もまだ就活をしている
 → それだけ今、金融業界への就職は厳しい

・アプライするのは4~5社に絞った方がいい
 → 企業のWebだけでなく、あらゆる情報を収集して、他の学生との差別化を図ることが重要
 → 昨年25社にアプライして、25社のお断りの連絡とMSc Financeの不可をもらった学生もいる

また悪い情報を手に入れてしまいました。今日話した中国人(学部は英国)はすでに何社かにアプライしたらしいですが、お断りの連絡しかもらっていないとのこと。非常に厳しいですなー。

2009年10月6日火曜日

就活のアプリケーション

今日は2日目。メインは午前中のアカウンティングの授業で、ほぼオンライン準備コースの復習だった。前職はアカウンティングでしたとまわりに言いまくっているので、テストではしっかりと準備をしたいと思う。

そして、ようやく生粋の英国人の学生とランチで話をする機会があった。(実は香港+英国の2つの国籍を持つ学生とはすでに会っていた。)彼は当然ながら英語がとても早くて、正直60%ぐらいしか理解できなかった。他にもスイス人とイラン人と食べたけど、2人とも長い間英語を使う環境にあったらしく、とても流暢に話す。数ヵ月後にはああなりたいと思う。そのためには話す練習あるのみ。

そういえば、当初Induction week(つまり今週)にやると言っていた統計とアカウンティングのテストがなぜかずれることになり、その日程が11月16日、17日に決まった。というわけで、20日-22日のボストンキャリアフォーラムが少し現実味を帯びてきた。

とりあえずどのような準備が必要か調べるため、アプリケーションで答えなければいけない質問を見てみた。各社言語や字数制限(英語で150-200words、日本語で300-400文字)など若干異なるものの、まとめるとこんな感じ。

・なぜ(その会社の)その部署を選んだのか
・あなたは会社にどのような貢献ができるか(≒なぜその会社が適しているのか)
・人生において最もインパクトの大きい達成は何か
・あなたの強みと弱みは何か
・ファイナンス業界であなたを成功に導くスキルや経験は何か
・何かを達成したとき、あなたをより高みへ導くモチベーションになるものはなにか
・なぜ会社はあなたを雇うべきなのか

Imperialのアプリケーションも同じような質問だったことを覚えている。そのとき学んだことは自分しか作れないアプリケーションを作ること。それはどう作れるのか。主張をサポートする部分に自分の経験を使うのが有効。自分の経験は自分だけのものであって、誰ともかぶることはない・・・はず。

正直、自分の興味で書いたことをそのまま書きたくなるが、この場合はふさわしくないかもしれない。理由は2つ。字数制限があって全てを伝えきれないことと、本やネットから得た情報の寄せ集めと思われてしまうかもということ。なので今回もM&Aの経験などを使って考えたいと思う。

数学を英語で

始まりました。総人数はなんと150人。去年までは100人前後だということを考えると大幅な増加。これも不況の影響でしょうか。大体、半分がアジア(中国、香港、シンガポール、タイなど)で半分が欧州と中東(英国、スペイン、トルコ、ギリシャとか)という感じ。日本人はやはり自分のKさんの2人。結局、4つのグループに分かれて移動するようです。

初日はコースの説明やAutumn termの分厚い教科書の配布があって、さっそく数学の授業。内容はオンライン準備コースでやった復習のような感じ。問題なのは数学表現を英語で言えないこと。ということで、ちょっとメモを。

Addition:
1 + 2 → one plus two

Subtraction:
1 - 2 → one minus two

Multiplication:
1 * 2 → one times two, one multiplied by two

Division:
1 / 2 → a half, one divided by two
2 / 3 → two thirds, two divided by three

Power:
3 ^ 5 → three to the power of five, three to the fifth power, three to the five
4 ^ 2 → four squared
5 ^ 3 → three cubed

Root:
4 √ 6 → the fourth root of six
2 √ 7 → the square root of seven
3 √ 8 → the cube root of eight

他にもいろいろな言い方があるようです。ここに載っていたので、気になる方は参考にしてみてください。レクチャーを聞いていると、計算式が複雑なときはまるで早口言葉を言っているみたいです。

そういえばオーストラリアが利上げをしたみたいですね。景気はいよいよ回復に向いてきたのか!?

2009年10月5日月曜日

本コースの始まり

いよいよ始まります!
今週はInduction weekでコースや資格、キャリアのことが多いですが、統計と会計に関してはさっそく授業が始まります。初めて英語で普通の授業を受けるのでちょっと緊張。

正式なAutumn Termの開始は来週からみたいで、1年間(正確には10ヶ月)は下記のようなスケジュールになるようです。

[Term Dates]
Autumn 2009: 12/10/2009 - 18/12/2009
Spring 2010: 18/01/2010 – 19/03/2010
Summer 2010: 26/04/2010 – 02/07/2010

[Exam Dates]
Autumn 2009: 11/01/2010 – 15/01/2010
Spring 2010: 19/04/2010 – 30/04/2010
Summer 2010: 12/07/2010 – 23/07/2010

英語のギャップに臆することなく、たくさんのことを吸収できるように、この1年間がんばりたいと思います!

2009年10月4日日曜日

自分の興味 その3

(また前回からの続き)

そのような状況を打破するためのオプションはいくつか考えられるが、せっかく自分は会計に携わったので、カネという側面からアプローチをしてみたい。少し具体的にすると、FDI(海外直接投資)を活性化させることで、日本の資本不足を改善するのと同時に、(1)と(3)を改善できないかと考えている。(1)に関しては、海外と日本とのカネの流れを増やすことで、日本に入ってくる新しい分野の情報や否定的な情報を増やすことができるのではないか。(3)に関しては、日本に入ってくるFDIを「これまでとは違う何か」を創るためのリスクをシェアする仕組みに向けることができないか。

はっきり言って、まだ全然具体的ではない。具体的にするにはファイナンスの基本的な知識や経験に加えて
・海外投資家はどのような投資理念を持っているか
・ハイリスクの投資をどのように運用すべきか
の2点については少なくとも学ぶ必要がある。

この条件を満たすのは海外のPrivate Equity Fundだが、基本的に投資銀行などでの経験が豊富なプロフェッショナルしか採用せず、いきなり入り込むのはほぼ不可能。したがって、投資銀行のCorporate Finance部門か監査法人のCorporate Finance Advisory部門での就職を目指そうと思う。もちろん難易度は非常に高いけど。

以上、自分の興味をまとめてみました。あー、長かった。

自分の興味 その2

(前回からの続編)

この能力を影響を抑えて「これまでとは違う何か」を創り続けるには
(1)新しい分野の情報や否定的な情報を取得できる環境
(2)これまでとは違った考え方をしようとする能力
(3)リスクを取る勇気
が必要になってくる。しかし、今の日本でこれら3点を満たすことは非常に難しい。

(1)については、まず英語の壁が存在する。例えば、鳩山総理大臣が先日の気候変動サミットでCO2を25%削減することを表明し、日本のメディアは大々的に取り上げたが、BBCやFinancial Times, Economistなどは米国と中国のことばかりで日本のことにはほとんど触れていない。これは海外メディアが正しい間違っているというわけではなく、日本と海外との考え方のギャップを表している一例だと思う。

そして、対外とのヒトとカネの流れが非常に少ないことが挙げられる。現在、日本で働いている外国人労働者は100万人弱と全人口の1%にも満たず、他国と比較しても非常に少ない。しかもこの多くが製造業で働く単純労働者で、知的労働者と呼ばれる人たちはほんの一握りにすぎない。カネに関しても、2007年の対外直接投資(GDP比)は1.68%、対内直接投資(GDP比)は0.51%となっていて、先進国(2%-8%)の中でも最も少ない値となっている。これらはヒトやカネそのものの流れが限られているだけでなく、対外との情報の流れが限られていることを意味している。

(2)については、暗記型の教育が挙げられる。日本の教育制度は何か新しいものを創るをすることよりも知識をひたすら詰め込むことを重点においている。いい例が、大学4年生の学生が研究テーマをなかなか決めることができないということ。これまで全て受身で学んできてしまったため、自分から主体的に考える方法がわからないし、考え方を変えるなんてとてもできない。日本で2年間学んだ経験がある、英国で映画専攻の中国人が「日本の教育は窮屈で仕方がなかった」と言っていたが、まさに当然の感想だと思う。

(3)はリスク回避の日本人の性格が邪魔をしている可能性が高い。たとえ考え方を変えなければいけないことに気づいたとしても、企業でいえば取引先や株主との関係を気にして、個人でいえば世間の目や社内での関係を気にして変えることができない。もし、失敗してしまったら失敗者の烙印を押されて、もう二度と同じ状況には戻ることはできない。日産をカルロス・ゴーンが(一時)回復させることができて、旧経営陣ができなかったのはまさにこの影響によるものだろう。

さらにはそもそものリスクが高いかもしれない。カネの側面からいえば、リスクを取ろうとしない保守的な金融機関の対応は、企業や個人のリスクを増大させ、挑戦する意欲を減退させていると思う。財務諸表を評価システムに入力しただけで得た融資枠による貸付や開業当初から出資をしようとしないVCでは、「これまでとは違う何か」のアイデアがあって起業しようとしても、個人で取るリスクはあまりに高すぎる。

(また続編へ)

自分の興味

自分探しのスタートとして今の自分の興味についてまとめてみたい。

以前にも日本の選挙に書いたとおり、自分は日本が近い将来、深刻な資本不足の問題に直面するときが来ると考えている。戦後、欧米を手本に、安くて豊富な労働力と細かい改善の積み重ねによって、製造業を中心とした強い輸出産業を作り上げることができ、十分な資本を集めることができた。これらの資本は企業内の再投資に回されたり、個人の貯蓄及び消費の増加に貢献した。しかし、バブルを境に状況は大きく変わった。GDP第2位になって先進国の仲間入りをし、もう真似をするお手本はなくなった。さらに国債を発行し続ける財政の限界、少子高齢化による労働力及び消費力の低下、技術の海外流出による競争力低下などから、このまま同じことを続けていたら経済が縮小するのは明らか。

しかし、日本の持っている基本的な技術力やサービスのレベルは非常に高いと思う。オーストラリアに3週間、ロンドンに1ヶ月半いて、「これは日本よりすごいな」と思えるモノやサービスにほとんど出会っていない。しいて言えば公園の整備ぐらいだろうか。もちろんコミュニケーションや教育、ビジネスにおける考え方には学ばなければいけないと思うことがたくさんあるが、目で見える形になっているものに関してはそうではない。これは日本のものに慣れてしまっていることも多少あるにしても、時間通りに来ない運行システムや栄養や味を気にしない食事はどう考えても日本より劣っている。

この日本の基本的なレベルの高さは、予想される厳しい状況下でも経済を維持成長させることができる可能性を表していると思う。ただ、これまでと同じようにやってもうまくいかないだろう。例えば海外に日本の携帯電話を持っていっても、あんなに高機能なのに失敗してしまった。ユニクロだって今でこそ少しずつうまくいっているみたいだけど、最初は海外展開がうまくいかず撤退した。日本の多くの産業の国内市場も飽和状態にあり、従来どおりにやっていても徐々に苦しくなっていくだけだろう。

今後の成長には「これまでとは違う何か」を自分たちで創り続けることが必要だと思う。それは液晶テレビの厚さを3cm→2cmにするというなことよりも、(今でこそ当然のように感じるが)携帯にカメラをくっつけてしまうことのような違いが重要。また、それがモノやサービスといった最終的なアウトプットに限らず、コスト管理でも、プロモーションの方法でも、内部の組織風土でも、またはこれらの複合的なものでも構わない。さらに「これまでとは違う何か」そのものも重要だが「これまでとは違う何かを創り続ける仕組み」こそがこれからより重要になってくると思ってる。

では、どうしたら「これまでとは違う何か」を創り続けることができるのか。人間は何かを考えるときに、どうしても本能や過去の経験から作り出した考え方(自分は枠と呼んでいる)に頼ってしまう。人間が処理している情報量は非常に膨大で、どうしても効率を重視した処理方法を取らざるを得ない。例えば、初めて自動車を運転するとき、ブレーキを踏んで、エンジンかけて、ギアをドライブにして・・・と意識しないと忘れてしまうし、狭い道を通るときもフロントガラスから見てあのあたりに路側帯が見えれば・・・と多くのことを意識している。しかし、そのうち慣れてくるとこれらは無意識にできるようになってしまう。一時期流行った(?)仮説思考なんてのは、まさに問題解決における枠作りと言える。

この能力は処理効率という面では非常に有用だが、新しい発想をしたりということに関しては邪魔をしてしまうことが多い。有名な経営者が過去の成功体験から誤った経営判断をしてしまう・・・なんてのはこのケースに該当するだろう。

(長いので次回に続く)

2009年10月2日金曜日

Pre-induction course その2

感想を書いてみようかと。

[英語について]
レベルが非常に高い。正直甘く見ていたかも。特に誤算だったのは以下の2つ。
・香港、シンガポールは英語圏
・欧州人も母国語でないにしろ、多くの学生が学部時代に英国留学を経験

結構な割合を占める彼ら。多少アクセントは違えど普通に英語をしゃべる。その点、中国人は比較的親しみが湧くけど、それでも自分よりは全然うまい。コースの中でペアやグループになって議論することが多々ありましたが、スピードと表現の幅の広さについて行けず、意見を求められてもただ単純な表現を述べるだけで精一杯という感じ。もちろん自分のやるべきことは変わらないけど、あまりのレベルの違いにショックを受けてしまったり。

[ファイナンスについて]
まだごく一部としか接していないですが、多くの学生がInternshipやFull-timeでファイナンスの職についた経験があるためかなり詳しい。ビジネススクールなのでそりゃ当然だが。日本であまり経済やファイナンスについて議論する機会が少なかったため、ちょっと戸惑ってしまったり。

[キャリアについて]
はっきり言って自分にとってプラスの情報は全くない。特に欧州での冷え込みっぷりは相当のよう。しかし、欧州とアジアの大手投資銀行の応募締切は迫って来ている(数社はもう過ぎている)ため、どういう戦略で行くのかを考えなければいけない。

それぞれの企業に対して応募の準備をするため全てのオプションを取ることは時間的に不可能。簡単に諦めたくはないが、ロンドンの投資銀行や監査法人が、こんな厳しい状況の中、就労ビザが必要で英語が十分でない日本人を雇うことは考えづらい。じゃあ、アジア(香港やシンガポール)などにターゲットを絞るか、それとも投資銀行や監査法人を諦めて別の業種(メーカや食品など)でトライしてみるか。もちろん変更したからといって状況が楽になるかというとあまりそういうわけでもない。じゃあ、ボストンに行って東京勤務になるかもしれないけど、日本人を対象にした求人にフォーカスしてみるか。外資系だけでなく、日系金融機関を視野に入れるべきか。でも、それだと何のために高いコストを払って英国留学をしているのか?

もちろん来年春から始動するであろう転職エージェントもオプションの一つ。しかし、あまり当てにならないことを考えるとこの秋の採用が非常に重要になってくる。限られた情報と時間の中、理想と現実を見極めて決断をしなければならないみたいです。

あー、またネガティブ感たっぷりな感想になってしまった笑

Pre-induction course

本コースは10月5日からですが、9月30日~10月2日までの3日間、Pre-induction courseに参加しました。MSc FinanceとRisk Managmentの学生が対象で、参加は自由。内容はずばり「キャリア」について。

初日の午前はPostgraduate向けに就職斡旋している会社のトップのプレゼンテーション。彼はLehman Brothersで30年弱働き、2006年に退社(つまりLehman shockとは無関係と主張)。Lehman Brothersではトレーダーとして人事担当者として働いていたとか。その後、今の会社を立ち上げたらしい。プレゼンの内容はファイナンス業界にはどういう会社があって、どういうポジションがあって、現在のジョブマーケットはどう状況なのか。

彼の最初の一言は「ここにいる多くの人たちがInvestment Bank(投資銀行)を望んでいるかもしれないけど・・・忘れなさい。ファイナンスはInvestment Bankだけじゃない。」

・・・えーっと、自分はここにいる多くの人たちの一人ですが。

Investment Bankの求人は昨年に比べて多少改善したものの、依然として厳しい状況が続いている。にもかかわらず、リストラにあった人たちを含めて多くの人たちが応募をするため、非常に競争が激しいとのこと。さらにPrivate Equityはさらに厳しい、いやほぼ不可能らしい。ちなみにAsset Managementに特化した会社が比較的狙い目とか。長い間、欧州と米国のファイナンス業界を近いところから見てきたとのことなので、(心理的バイアスのせいか)すごい説得力がある気がする。

午後はTeam BuildingとCVセミナー。Team Buildingはグループに分かれて簡易的なロケットを作った。なぜこれがキャリアと関係があるのかいまいちわからなかったけど、他人とコミュニケーションを取ったり、リーダーシップを発揮したりという練習なのだろうか。

CVは日本語で言う履歴書と職務経歴書が合体したもの。ただし、CVの良し悪しで書類審査の合否が決まるため、日本みたくだらだら書かず、箇条書きで主張したいポイントをズバッと書く。ちなみに人事担当者が目を通す時間は一通あたり30秒とか。この時間内で魅力的に見せられなければ負け。

翌日の午前はExploreという自分探しの仕方。自分の得意のスキルは何で、不得意スキルは何か。自分はどういうことが好きなのか、または嫌いなのか。仕事選びにおいて自分はどういう要素が重要としているのか。これらを裏付けるためにはどういう情報が必要か。など。

午後はCommercial Awareness。ファイナンスを中心とした日々の情報をしっかり仕入れておきましょうというもの。その仕入れ方や、あるトピックについて実際に議論したり。

最終日の午前はDiscoverというExploreの続編。自分を探し終わった後、自分に最も適したポジションを見つけるにはどうしたらいいか。参考になるWebや雑誌などの紹介や、グループのメンバーとなぜ自分にとってこのポジションが適しているかを話してみたり。

という感じの怒涛の3日間。

新しいフラット

遅くなりましたが、フラットについて。

当初、Pre-sessionalのときに住んでいた寮のあとも、また大学の別の寮に入ることになっていましたが、「大学から遠い」「空白期間がある」などの理由からいい部屋がないかさりげなく探していたり。ちょうど友人の台湾人がいい部屋を見つけてくれたので、変更することに。すでに支払ったデポジットもほとんど取り返すことに成功。

場所は前回住んでいた寮から徒歩2分。なのでロケーションはほとんど変わらず、大学まで徒歩30分。毎日Hyde Parkを歩けるのがいい。家賃は£125/週(水道光熱費込)+インターネット£100/年という立地にしてはかなり安めの設定。入ることになっていた大学寮は£110/週(全て込)だったが、定期代を考えるとほとんど変わらない。時間は50分かかるらしいので、こっちのフラットの方がお得!

引越しは朝8時40分始動。にもかかわらず管理人がいなくてドアが開かず。事前の説明ではいつも誰かしらいるって言ってたじゃん!?結局開いたのは9時半を過ぎてから。10時までにこれまで住んでいた大学寮をチェックアウトしなければならず、荷物は近いので2回に分けて運ぶことにしたため、ダッシュで寮とフラットを往復する。そんな感じで慌しく引越し終了。けど近いから楽だー。

内装はこんな感じ。


ベッド周辺。ちなみに赤いシーツは趣味が悪いので交換しました笑



今回はキッチンが部屋の中に。これで皿やまな板が盗まれる心配はない。



窓からの眺め。隣のビルがよく見えます・・・


そしてようやく掛け布団を買いました。これで凍えて目が覚めることもない。まあ、完璧ではないにしろ、とりあえず楽しく住んでいます。